天然種苗と人工種苗のバランス
ブリの人工種苗について鹿児島からの報道です。先月には大分県での同様の取り組みがニュースになっていましたが、天然種苗のモジャコ(ブリの稚魚)が大不漁の今年はマスコミの注目度も高いようです。養殖の種苗を天然に頼るクロマグロやカンパチでもいえることなのですが、天然種苗が捕れない年には人工種苗の必要性が叫ばれるのに、天然種苗が再び捕れだすとそのような叫び声がなくなってしまう歴史が繰り返されています。現実性に欠ける輸出重点品目として指定されたからということではなく、先ずは日本のブリの養殖生産、つまり国内消費と輸出向けの養殖ブリの生産の安定性を確保するという観点から進めていくべきことであり、それには人工種苗と天然種苗をバランスよく上手に有効利用していくという認識が必要です。日本の養殖ブリはノルェーのアトランティックサーモン(大西洋サケ)ではなく、海外で養殖が試みられている他のブリ類でもありません。日本の養殖ブリは天然種苗+人工種苗でそのニッチに安定性を担保するという意義ある独自路線を行けばいいのではないでしょうか。
追記:人工種苗と天然種苗については以前にも思っているところを書いておりますので、ご参照いただければ幸いです。
(リンクが切れていますが残しておきます)
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