昆虫とともに
新規飼料原料の多くが魚粉代替としてうたわれていますが、今般では魚粉だけではなく大豆やコーンといった植物性タンパク源についても価格と量の両面で厳しい状況が続き、さらに今後の人口増加やそれに伴う飼料需給量の増大が必至であることを考えると、副原料や微量原料といったところまでの代替を考えていく必要があるでしょう。
さて、新規原料としてこの記事でも紹介されている昆虫が最近よく登場します。しかし、昆虫が他の原料よりも栄養価が高いというわけではなく、多くのタンパク源を代替できるというわけでもありません。他の原料と同様に、昆虫メインでは飼料として機能しないのが現実であり、他の既存原料や新規原料との最適な組み合わせを見つけることが、逆に昆虫を飼料原料として活用するために大切です。
なお、欧州で養魚飼料への昆虫利用が比較的進みやすい理由の一つは、ニワトリなどの人間の食用に生産された動物からの副産物よりも、昆虫の印象が良いことが挙げられます。日本でもそういった感覚があるでしょう。しかし、動物の副産物はそれを生産するための特別なエネルギーのインプットなしに人間の食生活から必然的に産れてくるものです。このような、もともとサステナビリティに優れた原料があることも忘れず、その養魚飼料への利用性を質および量的に高めることにも官民で積極的に投資していくべきであり、これが昆虫のような新規原料の利用性も高めることにもつながるはずです。
昆虫は優れたポテンシャルのある原料です。しかし、どのような原料でも「協力」して飼料になります。
丸紅、昆虫を養殖魚の餌に - 日本経済新聞
丸紅は栄養価の高い昆虫を使った養殖魚向け飼料の研究開発に乗り出す。フランスのスタートアップと提携しマダイなど日本に合う養殖用飼料を共同で開発する。魚の養殖で使う飼料の魚粉や大豆かすの輸入価格は、原材料の高騰などで上昇している。世界人口の増加で食糧難も懸念される。魚粉に使うイワシなどと比べて安定調達できる昆虫を、代替飼料として活用する動きが広がってきた。フランスのスタートアップ、インセクトと同社
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