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私もChatGPTに聞いてみました

私もChatGPTに聞いてみました。 「RAS(循環養殖システム)でのアトランティックサーモン成魚の生産に理想的な飼料を配合設計してくれますか?」 おお!するとわずか数秒で答えが返ってきます。RASだからと酵素やプロバイオティクスの配合を勧めてくるのもなかなかです。 Sure, here's a formulation for an ideal feed for adult Atlantic salmon that is produced in RAS (Recirculating Aquaculture System) facilities: Ingredients: Fishmeal: 35-40% Soybean meal: 20-25% Wheat: 15-20% Corn gluten meal: 5-10% Fish oil: 6-8% Soybean oil: 4-6% Vitamins and minerals: 2-3% Other additives (e.g. probiotics, enzymes): as needed This formulation provides a balanced ratio of protein, fat, and carbohydrates, which is essential for the growth and health of adult Atlantic salmon. Fishmeal and soybean meal・・・・・. 機械学習の範囲内で設計した未完成な配合になっているのは否めませんが、このようなAI技術がさらに発達すれば、飼料の性能や養殖成績ならびに原料のマーケット情報や在庫など踏まえた配合の最適化も可能になってくるように思えます。これまでのアルゴリズムでも試みられていますが、より柔軟性と正確さに富んだものになるかもしれないですね。 回答の最後に、 Consultation with a nutritionist or feed supplier may be helpful in developing a custom feed formulation for a specific RAS facility. (あなたのRAS施設に合わせた飼料の配合を開発するには、ニュー...

ブリの価格の高騰

ブリ養殖の将来は天然種苗と人工種苗の両方、既存飼料原料と新規飼料原料の両方のバランスの取れた研究/開発/利用にかかっていると思います。 お歳暮で人気の養殖ブリ 例年の1.5倍近くに高騰|NHK 大分県のニュース 【NHK】物価高騰の影響で、お歳暮として人気がある冬の味覚の養殖ブリが例年の1.5倍近くに高騰しています。 佐伯市蒲江の水産会社では、養殖ブリなど…

サバではだめで、アジでなければ「いや!」

ペンギンやカワウソのもともとの食性について詳しくは知らないですが、サバではだめで、アジでなければ「いや!」ということのようです。確かに両魚種で味や食感が異なるでしょうから、そのような違いがペンギンやカワウソの嗜好性に影響を与えているのだと思いますが、大きくはサバに対して慣れていないことによるものでしょう。 これらの動物と魚を同列にはちょっと無理があるかのかも知れませんが、例えば、養殖クロマグロはサバを好む傾向にあるものの、慣らしさえしていけばアジもまぁまぁ食べるようになりますし、イカに対しても初めは吸盤が顔(マグロの)に触れるだけでかなり嫌がり咥えることもしませんが、何かの拍子にその味をしめると大好物になります。 このようなことは養魚用配合飼料についても言えることで、動物性・植物性タンパク源の種類や配合割合などが変われば、飼料に対する魚の嗜好性も「不慣れ」なためにガラッと変わり、極端なケースでは「全く食べない」ということもありますが、プロフェッショナルな養魚家は新旧飼料を混合しながら時間をかけて馴致したり、そもそも内容が違う飼料であれば給餌方法や頻度にも異なる工夫が必要であることを理解していたりして、上手に対応します。原料の不足や高騰で飼料の内容に大きな変化が起こっている今日、これまでこのような経験を積んできているのか?の差が養殖効率に大きな影響を与えているはずです。 ペンギンもカワウソも慣れればサバを食べるでしょう。少なからず食べる個体がいることも、私の楽観的な予想を支えてくれています。食べない個体に「美味しいのかな?」と思わせるもの大切です。 物価高で水族館のペンギンに異変「アジがいい」エサ代替品のサバには目もくれず(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース  止まらない物価高。苦しんでいるのは人間だけではありません。水族館ではペンギンにも異変が起きていました。  箱根にある水族館。ここでも物価高の影響が。ペンギンなどの餌(えさ)、アジです。3割ほど値

マダイ養殖のライフサイクルアセスメント(LCA)分析

AI搭載給餌機を活用したマダイ養殖では従来のものを使用するケースと比較して温室効果ガスを約2割程度削減できる:ウミトロンさんによるライフサイクルアセスメント(LCA)分析結果です。 2年の養殖期間のうちの後半1年でAI搭載給餌機を活用した実証試験結果がベースであり、報告書でも述べられているように海況や気候など他の多くのファクター―による影響を受けるところでもありますので一般化するにはもうすこし時間が必要かと思われますが、今後はこのようなかたちで、単に機材(今回の場合は給餌機)の性能評価いうことだけではなく、自社の事業がどの程度のインパクトで環境に影響を及ぼしているのかを客観的に評価してその結果を公表していくことが日本の養殖産業にも求められ、特に国際認証を受ける場合には必須になることでしょう。 また、マダイ刺身100 g当たりの温室効果ガス排出量の9割近くが飼料に由来することから、温暖化への影響を低減させていくためには飼料の調達、給餌(増肉係数)あるいは単位数量当たりの温室効果ガス排出量を削減していくことが課題であると指摘されていますが、ここで生産から販売・消費のプロセスに事業者間で大きく変わる/変わっていくことがないと仮定すると、この部分(飼料の調達、給餌(増肉係数)あるいは単位数量当たりの温室効果ガス排出量)での工夫と努力が温室効果ガス排出量に関して他業者との差別化を生み出す「ツボ」になることが分かります。 今回使用された飼料についてみると魚粉だけでなく、フェザーミールとチキンミールを併用したものようです。一般的にこのような飼料原料の使用は魚粉よりも温室効果ガス排出量の低減につながることが知られていますが(飼料原料から環境保護 その1 と その2 )、参考資料からそれぞれの配合率はそれほど高くないことがうかがえます。魚粉と他の原料の併用をもっと積極的に検討していくのも給餌(増肉係数)などへの対応に加えてプラスの戦略になると思われます。 ちなみに、アトランティックサーモンでは可食部100gの温室効果ガス排出量が0.79 kg CO2 eqという数字があります。評価方法によって変動するところですので直接的な比較は難しいかもしれませんが、牛(部分肉)を比較対象とするよりは養殖魚vs養殖魚として示すべき情報なのかもしれませんね。 ウミトロン、AI搭載スマート給餌機「U...

飼料原料のフレキシビリティ

小麦やコーンについては養魚飼料へのインパクトも大きく、先行きがかなり不透明な状況になっています。小麦ではflour、gluten meal、branが、コーンではgluten mealが主な養魚飼料原料になり、これらの原料は飼料製造においてバインダー、フィラー、タンパク源などといった重要な役割を担っています。配合割合はブリのような肉食性魚類用の飼料で相対的に少すくないものの、これらの原料を使用しない飼料設計/製造を考えること自体ありえないのが当然になっており、価格の高騰やavailabilityの低下が国内の養魚産業界に与える影響は大きくなるものと思われます。また、国外をみると、例えばアトランティックサーモンの飼料では小麦とコーンで飼料原料の20%以上を構成しており、アマゾンの森林保護のために供給がタイト/価格がハードになってきている大豆の影響もあいまって、かなり厳しい状況になる可能性が高まっています。今回の戦争は不必要に起こされたものであり、そういった不条理な理由で生み出された原料事情で養殖産業が圧迫されるのは間違っています。しかしその一方で、この現状は私たち養殖産業に生きる者たちへのリマインドにもなっていることを認識しなければなりません。既存の原料からの脱却を進めるということではなく、新たな原料や利用が進んでいない原料の開発や使用を積極的に進めて原料flexibilityを確保して向上する。このことについて、改めて真剣に考える時を向かえています。 食料安定調達へG7農相が臨時会合、ウクライナ侵攻受け 主要7カ国(G7)の農林水産相は11日、臨時の会合を開いた。ロシアとウクライナは小麦やトウモロコシなどの主要輸出国で、採択した共同声明ではロシアの侵攻により穀物相場や国際市場に混乱が生じることへの懸念を共有した。食料調達や価格安定に協調して取り組む。会合は議長国を務めるドイツが提案し、オンラインで開かれた。日本からは金子原二郎農相が出席。G7メンバーに加えて、今回はロシアから侵攻を受けているウ

昆虫のポテンシャル

主にヒトの食品用としての昆虫という観点から書かれている記事ですが、そのなかで触れられているフランスのインセクト(Ynsect)に代表されるように、飼料用の昆虫を生産する産業も世界で急速に拡大しています。理由はいろいろですが、魚粉の代替原料として使用されてきた植物原料、特にsustainabilityとtraceabilityを担保できる大豆のavailabilityに大きな制限がかかってきたことと、従来からの陸上動物(主にトリやブタ)由来の代替原料を敬遠する考えが未だ健在(?)であることがその一つと考えられます。大豆ではGMOフリーや熱帯雨林保護からの制限といったキーワードを使ってお伝えしたほうが分かりやすいかもしれません。陸上動物由来の原料については『自然で魚はトリやブタを食べないから』といった考えや、『狂牛病』に対するトラウマ的な感情がまだまだ存在するからでしょう。一方、昆虫には(今のところ)遺伝子改変やアマゾンのような環境にかかわる話題は少ないですし、『魚はもともと昆虫を食べている(特に淡水魚やサケ・マスなどの遡河回遊魚では)』といった感覚が一般に受け入れられているところが強みになっているとも感じます(魚でも鳥類を食べる例はあるのですが…)。そういった意味では、魚粉だけでなく植物や陸上動物由来の原料をも代替していく飼料原料としての性能や機能性が、昆虫ミールやオイルに求められてきているとも言えそうです。もちろん、他方で注目されている微生物や藻類由来の原料もその例外ではありません。 昆虫生産のオートメーション化をビジネスとするデンマークのDanish Insect Automation ApSが、Google Mapを利用して The Insect Industry Map (昆虫産業地図)を作成しています。会社名、電話番号、ホームページのURLなどを気軽に伝えれば地図に加えてくれます。地図上で日本からは0(ゼロ)ですので、興味がある方はぜひ登録されてはいかがでしょうか?現在、世界から160社の登録です。 欧州で本格化する「代替肉」は昆虫! 900万人の欧州人の舌をとらえる | 未来コトハジメ ミールワームという虫をご存知だろうか。爬虫類や小鳥の餌などとして飼育されてきた甲虫の幼虫である。実は今年(2021年)1月、欧州ではこれが人の食用として「安全」と正式に評...

飼料製造のサイエンス

養殖場を訪問すると「エサ(飼料)って、原料を混ぜ合わせて機械に入れれば誰にでもできるんでしょう?」という感覚の飼育責任者や担当者にときどき出会うことがあります。確かに機械(エクストルーダー)に原料を入れないと製造できませんが、誰にでもできることではありません。そこにはオペレータの熟練した技術だけでなく、科学(サイエンス)が存在します。国内外問わず優れた飼育責任者/担当者は飼料製造の科学についても理解を深めようする姿勢が強く、概してそのようなスタッフがいる養魚場の魚の仕上がりには大変すばらしいものがあります。自分たちの魚を上手に育てるために役立つであろう知識や経験の引き出しを多く持っているのだと思います。 さて今回は、先日発行されたAquafeed magazineにEP飼料の可塑剤(plasticizer、プラスティサイザ)についての記事がありましたので、少し「可塑剤とは?」でお話をします。可塑剤と聞くと合成樹脂をイメージされる方が多いと思いますが、エクストルーダーで射出成形する養魚EP飼料にも利用されます。ただし、もちろんのこと、合成樹脂のように化成品は使いません。EP飼料の原料から可塑剤としての性質(能力)を引き出して利用するのです。可塑剤としての働きによって可塑性化(plasticized)されるとEP飼料の耐久性(durability、デュラビィティー)が向上します。手で撒くことがほとんどなく、機械で混ぜ・ポンプやブロアーで飛ばして給餌する現在では、物理的な観点からEP飼料に最も要求される特性です。可塑剤(水を除けば)としての性質を有するには、原料に比較的多くの水溶性タンパク質と低分子のペプチド・アミノ酸が含まれている必要があります。魚粉にはこのような性質がありますが、魚粉の種類によって性質の違いやばらつきがありますし、低魚粉飼料ではもともと低い魚粉含量のためにそれを求めることも難しくなります。特に低魚粉飼料では高配合される植物性タンパクによっても飼料の耐久性がさらに失われる傾向にあり、飼料の可塑性化に一層の工夫が必要になります。 この記事ではfish protein concentrate(FPC、魚濃縮タンパク)の可塑剤としての性能を明らかにしています。FPCであれば日本国内でも手配が比較的簡単な原料でしょう。日本で良く使用される他の原料とのコンビネーシ...

栄養素と消化率のデータベース

魚飼料原料の栄養素や消化率の公開データベースとしては International Aquaculture Feed Formulation Database (IAFFD)が有名で、私もパートナーとの実用飼料や試験飼料の配合を設計するとき参考にしますが、先日にフランスの公的機関が中心となってまとめられたINRAE-CIRAD-AFZ feed tableというデータベースがインターネット上に公開されました。もともと紙ベースで作られていたものをアップデートして公開したようです。データベースとしてはIAFFDのように魚に特化したものではなく、どちらかというと畜産向けのものですが、IAFFDとのダブルチェックにも使えますし、「この原料、牛やトリならどの程度利用するのかな?」という素朴な疑問にも答えてくれそうです。既存の原料でも産地やグレードによって栄養素は異なり、また最近ではどんどん新規の原料も上市されてきています。このようなデータベースの公開はとても有意義なことですね。 ちなみに、INRAE-CIRAD-AFZ feed tableの制作スポンサーの一社は味の素アニマル・ニュートリション・ヨーロッパでした。味の素アニマル・ニュートリション・ヨーロッパは4月ごろに全株を他社に譲渡される予定です。 Tables of composition and nutritional values of feed materials INRA CIRAD AFZ