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イカの基礎的養殖システム

先週は タコの養殖 に触れましたが、そのあとすぐにイカの話が飛び込んできました。 報道されている情報を総合的にみると、アオリイカの生物・生理・生態学的特性についての基礎研究を長年進めてきているなかで、実験材料(動物)としてのアオリイカを研究室内でどのように上手く再生産(繁殖)させ、長生きさせるのかを追及しているうちに、そこから得られた知見が本種の養殖の発展に寄与するのでは?と気づかれたようです。 その気づきから生れたシステム。出願された特許の内容を確認しなければ詳細は分かりませんが、現在は実証試験を経て産業化へのポテンシャルを探っていく前の段階であるものの、従来のように漁労や増養殖といった応用分野の研究を源にするものとは異なり、基礎分野の研究に伴い開発されてきたという点で新しく、たいへん興味が持たれます。 食用頭足類では双璧をなすイカとタコ。肉食性が強く、個体密度や急激な環境(海水比重など)の変化に敏感などといった点は両類で類似していますが、三次元的に飼育可能であろうイカの特性は養殖対象動物として相対的プラスに働くかもしれません。個人的にはタコへの関心が強いものの、どちらも美味しく世界的に人気ある水産動物であることは事実であり、両類ともに産業規模での養殖を可能にする技術の開発を、動物としての特性を踏まえて辛抱強く着実に進めることが肝要です。 世界初!ツツイカの養殖システム開発に成功 OISTが商業化へ一歩 沖縄近海に3種が生息しているというアオリイカ(中島隆太博士提供) 沖縄科学技術大学院大学(OIST)は2日、ジョナサン・ミラー教授率いる物理生物学ユニットの研究チームがツツイカの養殖システムを世界で初めて開発したことを発表した。

挑戦すべき養殖:タコ

「今後挑戦するとしたら何の養殖ですか?」と聞かれることがあります。まずは、ミナミマグロとキハダ(マグロ)。これまでクロマグロとタイセイヨウクロマグロはしてきていますので残りのミナミマグロをすればクロマグロの仲間をコンプリートすることができますし、養殖したキハダは脂(あぶら)ののりが絶妙で、クロマグロとは異なる飽きのこない美味しさを楽しむことができます。そのほか魚では、海水ティラピア。ブレイクすること間違いなしとみており、遺伝子編集などのツールを利用して海水への耐性や肉へのうまみを一層付加することによってそのポテンシャルをさらに高めることができると思われます。ただし、再生産(受精~卵~仔稚魚)はあくまでも淡水でのみ行えるものとして制限することが必要でしょう。 さて、「魚以外ではどうでしょうか?」と聞かれれば、答えはこの記事でも紹介されているタコです。トレンドを考えればエビは外せないように思われるかもしれませんが、エビは集約~半集約~粗放的の全ての方法で標準的なプロトコルが出来上がっており、ここでいう私の中での「挑戦」とは別の部類のものです。 以前もお話ししたように 動物福祉の観点から「知性」が高いとされるタコの養殖については反対の意見もありますが、生きとし生けるもの全ての命の尊さを想うとそのような批判は決して的を射たものではありません。「タコ焼きのタコこそ培養肉で」という声も聴きますが、タコ焼きだけがタコ料理ではなく、タコ料理の世界的なバリエーションを考えると培養肉だけで需要を賄うことはかなり難しいと思われます。タコ料理には墨(すみ)を使うものもありますしね。 しかし、私が挑戦するまでもなく技術はかなり進んでいるようです。記事でも書かれているように事業化に向けては解決すべき課題が多く残されているもの事実でしょうが、ガザミ幼生を給餌するというブレークスルーを経て現在の優れた飼育レベルを達成されていることをみると、技術開発をさらにスピードアップするためのしっかりとした土台を構築されてきているもまた事実だと思われます。どのように進展されていかれるか楽しみで、近い将来、養殖されたタコが世界の需要を部分的にでも支える日が来ることを想像すると本当にワクワクしますね。 「築地銀だこ」ホットランドが挑む 脱・たこ焼き一本足 たこ焼き店「築地銀だこ」が今年、1号店開業から2...