うどんからセルロース -微生物の恩恵-
うどんから紙の原料となるセルロースができるとは、微生物の力はすごいですね。ペーパレス化がすすむ時代とはいえ、利便性、必要性から、私たちの生活はまだまだ紙に支えられています。そのなかで、原料を木材などの天然資源に頼ることがないセルロースの製造とその利用技術が、また一つ新たに開発されました。 食品ロス削減の観点からは、廃棄されるうどんそのものを減らすことが大切ですが、どうしても出てきてしまうものを、アップリサイクル的に活用する発想と技術は、とても素晴らしいと思います。調べてみると、18世紀に起源のあるパイナップル由来のデザート「ナタ・デ・ピニャ」や、その代替として19世紀につくられたココナッツ由来の「ナタ・デ・ココ」が、人(ひと)が微生物のセルロースを合成する能力を利用した始まりのようですね。 微生物の活用は、水産養殖の分野でも盛んに研究されおり、すでに商業化されているものも少なくありません。シングルセルプロテイン(微生物由来たん白)による魚粉代替、微生物発酵を利用する既存・新規飼料原料の消化性向上、プロバイオティクスやポストバイオティクスによる健康維持や免疫強化、そして、ウイルスも微生物とするなら、バクテリオファージ療法による抗生物質の使用低減や、RASタイプの陸上養殖には欠かせない硝化・脱窒プロセスなど、水産養殖も微生物に支えられています。 病気の原因となるものもいますが、世界を豊かにしてくれている/くれるのも微生物なのでしょう。 廃棄うどん、紙に変身香川大、微生物の働きで生成 香川大農学部(香川県三木町)は地元の飲食店から廃棄されるうどんの糖を原料に、微生物の働きで「紙」を生成する取り組みを進めている。