フィレ歩留り

先日の投稿でフィレ歩留りでのeFCRを計算しましたが、そこで使用した65%はだいたいのところとして一般的に用いられている数字です。実際のフィレ歩留まりは事業者の飼育管理によっても異なりますし、加工技術の影響も受けます。また、フィレといっても加工の程度の違いによる種類があり、切り出した皮付きのフィレなのか、あるいは、そこかから鰭や骨なども除いた状態でのフィレなのかでも歩留まりの数字は変わってきます。皮付きのフィレでみると、実際には55~65%程度の間での変動があるようです。

ただバラツキがあるといっても、フィレ歩留りを把握して管理することの重要性は今後ますます大きくなっていくでしょう。例えば海外では小さなサイズから大きなサイズまでの需要があるトラウトでは500 gの魚でフィレ歩留りが52%程度、2 kgの魚では55%程度、3kgの魚では57%というように魚の成長によって変化します。

事業者は常にこのようなフィレ歩留りの変化と各サイズの魚の価格、需要、在庫(間引き含む)、eFCRを含むコスト評価指標などを擦り合わせて飼育・出荷計画を立てていきます。丸の魚の体重(サイズ)が大切なのはこれからも変わらないでしょうが、日本でも飼料、養殖、加工、小売りすべての段階でフィレ歩留りを考慮して事業を展開することが求められ、また必要になってきています。

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