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新規原料:微生物のポテンシャル

飼料の新規原料としての微生物のポテンシャルを考える上で、今回紹介するレビューは基本的な情報を与えてくれるものと思います。食品や健康への利用についての記述が多くなりますが、微生物活用のカテゴリーや歴史に始まり、微生物の種類、効果、栄養、タンパク源や代替肉への利用、機能性原料の製造、課題などについて、すごく簡潔にまとめ説明してくれており、飼料分野の方々にも大変参考になる内容になっています。 また、スタートアップや企業が、活用している微生物の種類や彼らの製品とともに、リストアップされている表もあって、現在、世界で、どのようなプレーヤーがどのように活動しているのかを知るための良い資料にもなるでしょう。 これからますます活発化してくる新規原料の探索。興味のある方は、ぜひご一読ください。 The microbial food revolution - Nature Communications In this Review article, the authors discuss the potential of microorganisms as a solution to the challenges faced by our food system. Engineered microorganisms can be used to produce enhanced foods and ingredients in a sustainable manner. The technical, economical, and societal limitations are also discussed together with the current and future perspectives.

昆虫とともに

新規飼料原料の多くが魚粉代替としてうたわれていますが、今般では魚粉だけではなく大豆やコーンといった植物性タンパク源についても価格と量の両面で厳しい状況が続き、さらに今後の人口増加やそれに伴う飼料需給量の増大が必至であることを考えると、副原料や微量原料といったところまでの代替を考えていく必要があるでしょう。 さて、新規原料としてこの記事でも紹介されている昆虫が最近よく登場します。しかし、昆虫が他の原料よりも栄養価が高いというわけではなく、多くのタンパク源を代替できるというわけでもありません。他の原料と同様に、昆虫メインでは飼料として機能しないのが現実であり、他の既存原料や新規原料との最適な組み合わせを見つけることが、逆に昆虫を飼料原料として活用するために大切です。 なお、欧州で養魚飼料への昆虫利用が比較的進みやすい理由の一つは、ニワトリなどの人間の食用に生産された動物からの副産物よりも、昆虫の印象が良いことが挙げられます。日本でもそういった感覚があるでしょう。しかし、動物の副産物はそれを生産するための特別なエネルギーのインプットなしに人間の食生活から必然的に産れてくるものです。このような、もともとサステナビリティに優れた原料があることも忘れず、その養魚飼料への利用性を質および量的に高めることにも官民で積極的に投資していくべきであり、これが昆虫のような新規原料の利用性も高めることにもつながるはずです。 昆虫は優れたポテンシャルのある原料です。しかし、どのような原料でも「協力」して飼料になります。 丸紅、昆虫を養殖魚の餌に - 日本経済新聞 丸紅は栄養価の高い昆虫を使った養殖魚向け飼料の研究開発に乗り出す。フランスのスタートアップと提携しマダイなど日本に合う養殖用飼料を共同で開発する。魚の養殖で使う飼料の魚粉や大豆かすの輸入価格は、原材料の高騰などで上昇している。世界人口の増加で食糧難も懸念される。魚粉に使うイワシなどと比べて安定調達できる昆虫を、代替飼料として活用する動きが広がってきた。フランスのスタートアップ、インセクトと同社

コオロギと魚

 養魚飼料原料としての昆虫の利用性。日本ではポツポツと話を聞く程度で、どのぐらいの熱量で検討されているのか良く分からないのが現状ですが、これまで水産養殖とは直接的なつながりがなかった大学でも研究が活発化してきているようです。 ニジマスやビワマスにコオロギ。子供のころにコオロギを餌にアマゴを釣ったことを憶えています。ナマズもよく釣れましたので肉食性の淡水魚には良い餌生物なのでしょう。しかし、自然界で魚はコオロギだけを食べているわけでなく、魚が毎日食べる(魚に毎日食べさす)養魚用飼料に組み込む場合には他の代替原料の場合と同様に原料間/栄養バランスを上手くとっていくことが重要になります。 また、パワーが発揮するポイントは成長ではなく、免疫や摂餌性/消化率といった機能性である可能性もあります。大学も認識しているように、それぞれの原料が持つパワーは何か?研究を通して見極めることがこのような新規代替原料の発掘/開発には必要で、どのような結果がでてくるのか楽しみです。 魚粉の代替というと数十%の大きな配合率を狙いがちですが、その原料のパワーは数%の配合率で発揮されるかもしれません。数%でも飼料に配合される(できる)環境的/産業的インパクトを過少に考える必要はありません。 そして「魚粉」については、ペルーやヨーロッパに代表される高級魚粉が日本に入ってこない近い将来を研究計画に入れ込むことも望まれます。そのような魚粉の代替を考える重要性は薄れ始めてきており、大豆、コーン、小麦の代替を考えるべき時代へとすでに突入しているのですから。 https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20211005/2000052167.html(リンクが切れていますが残しておきます)

昆虫のポテンシャル

主にヒトの食品用としての昆虫という観点から書かれている記事ですが、そのなかで触れられているフランスのインセクト(Ynsect)に代表されるように、飼料用の昆虫を生産する産業も世界で急速に拡大しています。理由はいろいろですが、魚粉の代替原料として使用されてきた植物原料、特にsustainabilityとtraceabilityを担保できる大豆のavailabilityに大きな制限がかかってきたことと、従来からの陸上動物(主にトリやブタ)由来の代替原料を敬遠する考えが未だ健在(?)であることがその一つと考えられます。大豆ではGMOフリーや熱帯雨林保護からの制限といったキーワードを使ってお伝えしたほうが分かりやすいかもしれません。陸上動物由来の原料については『自然で魚はトリやブタを食べないから』といった考えや、『狂牛病』に対するトラウマ的な感情がまだまだ存在するからでしょう。一方、昆虫には(今のところ)遺伝子改変やアマゾンのような環境にかかわる話題は少ないですし、『魚はもともと昆虫を食べている(特に淡水魚やサケ・マスなどの遡河回遊魚では)』といった感覚が一般に受け入れられているところが強みになっているとも感じます(魚でも鳥類を食べる例はあるのですが…)。そういった意味では、魚粉だけでなく植物や陸上動物由来の原料をも代替していく飼料原料としての性能や機能性が、昆虫ミールやオイルに求められてきているとも言えそうです。もちろん、他方で注目されている微生物や藻類由来の原料もその例外ではありません。 昆虫生産のオートメーション化をビジネスとするデンマークのDanish Insect Automation ApSが、Google Mapを利用して The Insect Industry Map (昆虫産業地図)を作成しています。会社名、電話番号、ホームページのURLなどを気軽に伝えれば地図に加えてくれます。地図上で日本からは0(ゼロ)ですので、興味がある方はぜひ登録されてはいかがでしょうか?現在、世界から160社の登録です。 欧州で本格化する「代替肉」は昆虫! 900万人の欧州人の舌をとらえる | 未来コトハジメ ミールワームという虫をご存知だろうか。爬虫類や小鳥の餌などとして飼育されてきた甲虫の幼虫である。実は今年(2021年)1月、欧州ではこれが人の食用として「安全」と正式に評...

RASと魚とエサのエサのエサ

日本での循環養殖技術(RAS)の開発と商業化、荏原さんも参入で大きく進むことに期待です。国内向けだけでは採算をとることは難しいでしょうから、自ずと国外へも展開することになると思います。そこでも競争力をもって戦うことができる技術の開発が一つのターゲットになるでしょう。 リージョナルフィッシュさんに期待するソフト(魚)の内容を上手く定めていくことも成否に大きく関わってくると思います。昆虫をエサ(飼料原料だと思いますが)にとのことですが、環境へのやさしさにプライオリティーをおくだけでなく、どのような飼料原料を使うにしても、その安全性を確認できることが大切です。昆虫を育てる生ごみ(エサ)の安全性をどのように担保するのか?エサのエサ、場合によってはエサのエサのエサについても良く考えておく必要があります。陸上で養殖される魚でもまだまだ完全ではありません。天然魚でのマイクロプラスチックに関するコメントがありますが、そういったところがRASの優位性ではないと思います。 今日はこれから台風準備です。まずは避難所に行って状況確認してきます。皆様もくれぐれもお気をつけください。 荏原、陸上養殖に再挑戦 スタートアップと連携 ポンプ大手の荏原はスタートアップ企業と組んで水産物の陸上養殖の事業化を目指す。水槽の水を循環させて用いる装置を、荏原の技術を活用して開発する。養殖の持続性を高めるため、昆虫を魚の餌にしたり、魚のフンを肥料にしたりする研究も進める。漁獲量の減少や海面養殖での汚染などが問題となる一方、水産物消費は膨らむ。環境保全と両立できる陸上養殖システムを構築し、5年以内に収益化にメドを付ける。荏原は過去にも養殖