陸上養殖の保険
陸上養殖向けの保険サービスが開始されます。記事の内容からするとRAS施設をターゲットした商品なのでしょう。海外では既存の保険ですが、RASでの陸上養殖が緒に就いたばかりの日本では内容を設定するにあたり試行錯誤されたところも多かったと思われます。しかし、今後も改善のための修正が加えられていくでしょうし、陸上養殖に伴うさまざまなリスクを軽減することで、日本における陸上養殖の参入や拡大を促進するためには不可欠なものとなることは確実です。
RASでの養殖と聞くと、気候や海況といった外部環境の影響を受けずに安定的な養殖生産が可能と思われるかもしれません。しかし、例えば、今般の異常気象に伴う台風、竜巻、豪雪といった気象現象によって停電やシステムの障害が起こるなど、間接的な影響を受ける十分な可能性はありますし、人為的ミスによる病原体の侵入や飼育動物あるいは施設に悪影響を与える化学物質が内因的にでも生成されるだけで、その処理や対策のためにシステムの大部分をダウンやクローズしなければならないケースがあるなど、海面や池での養殖とは特異な事象がRASでは起きます。
将来的には、保険への加入や価格設定の際に、RASの運用スキル、保守・バックアップシステム管理、バイオセキュリティ対策などに対する外部評価(監査)の受け入れや、RASオペレーターへの定期的な講習・トレーニングが義務付けられる可能性もありますね。それが保険を売る側、買う側の双方にとって良いことのようにも思えます。
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