喉元過ぎれば・・・魚粉高騰
今般の異常ともいえる飼料価格の高騰は、ほぼ全ての飼料原料の価格上昇によるもので、魚粉のみに原因するわけではありませんが、魚粉をおおよそ40%程度含む日本の養魚飼料にとっては、比較的大きなインパクトを持つもの事実でしょう。国産のイワシ魚粉や、小売りからでる、いわゆる都市残渣ミールもあるものの、これらの魚粉も多かれ少なかれ影響を受けており、バッファーとしての役割はあまり期待できません。
魚粉の価格変動は必ず起こるものと分かっているのに、いつも「喉元過ぎれば…」で来てしまっていることのしっぺ返しが、ロシアによるウクライナ侵攻もあって、今回は特に大きいものになっているところもあります。これまでは、大豆や小麦などで魚粉を補うとしましたが、今やこれらの植物原料も量的・価格的にタイトになり、それどころではなくなりました。昆虫やシングル・セル・プロテインなどの新規原料の実用化にもまだ工夫と時間が必要です。
しかし、一方で、日本には従来から存在し、ポテンシャルとアベイラビリティーがあるのに、継続的な補助や投資もなく未開発のままの原料があります。養魚飼料だけでなく畜産飼料や肥料にも言えることだと思いますが、国内にある既存の資源のフル活用を考えていくのも進むべき道のはずです。「次世代」や「異次元」を求めるだけではいけないでしょうね。
魚粉の国内価格が最高 養殖業、エサ不足で経営打撃 - 日本経済新聞
養殖魚のエサに使う魚粉の国内取引価格が、約8年半ぶりに最高値を更新した。原料となるカタクチイワシの主産国であるペルーが、漁獲枠削減と漁の延期を決め、世界的に不足感が強まった。日本の養殖業は魚粉の大半を輸入に頼る。国内価格は2020年初めの直近安値に比べて9割高く、養殖事業者はコストの大幅な増加に直面している。指標となるペルー産の国内取引価格(元卸、プライムグレード67%、東京)は6月中旬時点で
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