腸の中の舌:魚類の味覚
魚は口(くち)*だけでなく消化管にも味を感じる細胞(味細胞:あじさいぼう)を持っているようです。発生に伴って初めに消化管のものが出現し、遅れて口に出現。先行している哺乳類の研究でも考えられているように、進化の過程で味細胞が消化管から口(舌)とあたかも分布を広げるように配置されたことを反映しているのでしょう。まず口で美味しいか?危険か?など判断してから食べたほうが安心安全で効率が良いからという進化上の理由からなのでしょうが、消化管での味覚との連携についての研究はまだまだこれからのようです。消化管と口の味覚にどのような協調が存在して消化吸収に関わるのか?私たちのフィールドでの「喰わないね」、「よく喰うね」などの裏側にはそのようなメカニズムが存在し、それを解き明かすための基礎研究の推進がこれからの養殖の発展に不可欠でしょうね。
*魚類の味細胞は口腔に限らず広く分布している場合が多いですが、ここでは便宜的に「口」という言葉を使いました。
Fish can detect flavors in the gut
A Spanish team of researchers describes for the first time the development of the taste system of seabream from its embryonic development to adulthood.
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