タコの不思議と養殖と生命

無脊椎動物の養殖といえば貝類、ウニ、ホヤ、ナマコ、エビなどの養殖を連想されると思いますが、実はタコやイカについても技術開発が進められています。特にタコの養殖については活発で、生活史(ライフサイクル)を人為飼育条件下で一巡させる完全養殖の基本技術はすでに確立されており、いまのところは海外の企業が事業化へ一歩リードして市場への出荷も近く開始するという情報が流れています。

日本人も大好きなタコですが、世界的なシーフードブームで海外でも需要が伸びることが確かな反面、この瞬間でさえも各国が天然のタコ資源の獲得にしのぎを削っているのが現状で、それに並行するかのように養殖事業化に向けての競争も激しさを増してきています。

このような流れのなかで、知性も高く、痛みも感じるタコを水槽や生簀に閉じ込めて最終的に殺す(〆る)プロセスとして養殖を捉え、事業化に反対する声も高まっていると聞きますが、タコに限らず全ての生きとし生けるもののは尊重されるべきものであり、それを忘れず彼らの生命をいただくことの大切さを説くことも忘れてはいけません。命あるものを食べられないほどに作って、それが食べられずに捨てられるようなことを減らしていく取り組みもさらに拡大していくべきでしょう。

イカとタコの墨(すみ)吐きなど彼らの不思議で素晴らしい能力を子供向けにやさしく解説した今回の日経の記事ですが、頭が固まりつつある中年の私もふむふむと読み、そこで浮かんだことを書かせていただきました。

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