夢の難しさと大切さ
アメリカのバイオベンチャーの創業者が詐欺の罪で有罪判決を受けました。指から採取する極微量の血液から数百の項目が検査可能になるということだったようですが、日経に紹介されているフィナンシャルタイムズの記事によると、実は12種類の項目でしかなかったようです。資金を集めるには投資家や市場を含め皆に魅力的と感じさせる「夢」が必要ですが、彼らの「夢」がビジネス的にも科学的にも倫理的にも真心から語られているのかについて知るこのとの難しさと大切さを改めて示した事件とも言えそうです。
[FT]夢語り市場を欺いた女性起業家(写真=ロイター)
米シリコンバレーでは「噓もつき通せば本当になる」かもしれないが、裁判所では通用しない。米バイオベンチャー、セラノスを創業したエリザベス・ホームズ被告は投資家への詐欺罪などで3日、米カリフォルニア州の裁判所の陪審から有罪評決を受けた。同被告は微量の血液で様々な疾病検査ができるとうたい、投資家を呼び込んだ。しかし2015年、同社の技術に疑念が生じ、一時90億㌦(約1兆円)あった評価額は急落した。
その難しさと大切さについてこの事件から学ぶべき(学べる)5つのポイントをForbesの寄稿記事が挙げています。最近注目を集めている培養肉の分野を対象に書かれている記事ですが、実際のところ、分野や企業規模、事業者か投資家か消費者かなどの違いに関わらず普遍的に重要なポイントだと感じましたので、次に見出しだけですが私独断の短縮意訳をつけて紹介いたします。興味のある方はぜひ記事ご覧ください。もちろん、水産養殖に関わる全てにも通じる内容です。
1. You cannot endlessly rely on future hopes and dreams
(現状に正直であれ)
2. You can commit fraud even if you rely on scientists
(自分に正直であれ)
3. Attracting high-profile investors and board members will not save you
(自分自身であれ)
4. Firing and threatening employees is never a good strategy
(人材を大切して聞く耳を持て)
5. Claiming “trade secrets” is no excuse for lack of transparency
(透明であれ)
以上、2022年の最初の投稿になります。今年もよろしくお願いいたします。
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The guilty verdict against disgraced Theranos founder Elizabeth Holmes should give the cell cultured meat industry pause.
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