ゲノム編集:社会と持続性への貢献

ゲノム編集は人為的かつ意図的に遺伝子を編集する点で従来の品種改良技術とは特異です。その特異性を和らげるためによく「自然でも起こる」というようなワードとともに紹介されることが多いですが、例えば欠失型編集は生物の遺伝子を人間がピンポイントで欠失させることであって、決して自然がそれを起こしているのではありません。私はゲノム編集技術とその農水産物への応用について大賛成なのですが、ヒトにデザインされたゲノムが自然のものとの同等性を持つかのように伝えられることが多い現状に対してはいささか閉口気味になっています。優れた技術だけにもっと自信と主張をもって伝え、伝えられる側もそれを素直に受け取ってもいいのではなでしょうか?また、しかし、その一方で、こういった技術がどのような目的で使用されているのかについて、もう少し踏み込んで捉えられることも大切かと思います。社会に有益であり、持続可能性の向上に貢献するのか?例えば、単に生産性の向上だけでなく、魚や作物の水温や気候への適応を助け、疾病に対する薬剤や農薬の必要性減らし、魚や作物の健康を大いに改善するのか?単に生産性の向上だけに動物の外観が大きく変更されたり、動物の福祉が損なわれたりすることはないのか?少し過熱気味になっているようにも感じる現状ですが、これらのことに対する冷静な判断がゲノム編集を行う側だけでなくそこに投資する側にも求められます。

(リンク切れしていますが残しておきます)
https://jp.techcrunch.com/2021/12/03/startupbattle-2021-winner/
TechCrunch Tokyo 2021 スタートアップバトル優勝は、ゲノム編集で食糧危機を救うリージョナルフィッシュ:12月3日、スタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2021」はすべてのプログラムを終え、閉幕した。イベントの最後を飾ったのは、2日間にわたって開催された設立3年以内のスタートアップによるピッチバトル「スタートアップバトル」の表彰式だ。スタートアップバトル初日では、書類選考を勝ち抜いた..


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