コオロギと魚

 養魚飼料原料としての昆虫の利用性。日本ではポツポツと話を聞く程度で、どのぐらいの熱量で検討されているのか良く分からないのが現状ですが、これまで水産養殖とは直接的なつながりがなかった大学でも研究が活発化してきているようです。

ニジマスやビワマスにコオロギ。子供のころにコオロギを餌にアマゴを釣ったことを憶えています。ナマズもよく釣れましたので肉食性の淡水魚には良い餌生物なのでしょう。しかし、自然界で魚はコオロギだけを食べているわけでなく、魚が毎日食べる(魚に毎日食べさす)養魚用飼料に組み込む場合には他の代替原料の場合と同様に原料間/栄養バランスを上手くとっていくことが重要になります。

また、パワーが発揮するポイントは成長ではなく、免疫や摂餌性/消化率といった機能性である可能性もあります。大学も認識しているように、それぞれの原料が持つパワーは何か?研究を通して見極めることがこのような新規代替原料の発掘/開発には必要で、どのような結果がでてくるのか楽しみです。

魚粉の代替というと数十%の大きな配合率を狙いがちですが、その原料のパワーは数%の配合率で発揮されるかもしれません。数%でも飼料に配合される(できる)環境的/産業的インパクトを過少に考える必要はありません。

そして「魚粉」については、ペルーやヨーロッパに代表される高級魚粉が日本に入ってこない近い将来を研究計画に入れ込むことも望まれます。そのような魚粉の代替を考える重要性は薄れ始めてきており、大豆、コーン、小麦の代替を考えるべき時代へとすでに突入しているのですから。


https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20211005/2000052167.html(リンクが切れていますが残しておきます)


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