飼料配合アプリ:FeedCaluculator

オランダの社会的企業Single Spark The Netherlandsが専門家たちと共同開発したFeedCaluculatorというスマートフォン(android)アプリがあります。発展途上国における畜産/水産の発展を飼料の配合設計の最適化という面から支援することをコンセプトとして開発された大変ユニークなアプリで、ブロイラー(肉)、レイヤー(卵)、ブタ、ウシ(乳)と魚ではナマズ、ティラピアの飼料配合設計に対応しています。

例えばナマズを選ぶと稚魚(starter)か育成(grower)を聞かれ、稚魚を選択すると今度は魚の尾数を聞かれます。次に飼料原料を選択するページに移り、そこで各原料の価格を入力するとともに、現時点で使用可能(手元にある/入手できる、つまりavailable)な原料をすべて選択します。原料は配合する配合しないに関わらずavailableなものであれば全て選びます。そして実行ボタン(SHOW RECIPE)を押すと、粗タンパク質(CP)39%、エネルギー3,500 kcal/kgのスタンダード飼料を作るために最適化された配合組成と飼料価格が表示されます。最低コストで最高の飼料を!ですね。実際にアプリを走らせながらこの記事を書いていますが、タンパク源としてFish meal 56%CP、soybean cake 44% CP、soybean meal std 43% CPを選んできています。Bool meal 80% CPもavailableな原料として選択していましたが、このような配合スペースに余裕がある飼料では価格の面からかはじかれたようです。画面の下には設計された飼料の栄養素プロファイルや魚の成長に合わせた給餌スケジュールを確認するメニューがあり、また、配合は画像として保存できるのでそのまま配合指示書になります。

以前は有料だったようですが今は完全無料のアプリです。アプリからは新規の原料を登録することができない(随時追加の予定とのことですが)、原料の細かな栄養素プロファイルを見ることができない、アルゴリズムが非公開などの制限がありますが、このような形での途上国支援を思いつき、具体化し、実行できるのは素直にすごいと思います。魚種は限られますが大学の初歩的な教材としても良いでしょうね。ニワトリ、ブタ、ウシについて私は全くわかりませんが、ナマズとティラピアでここまでできるアプリです。ぜひ、どなたか試していただき、感想を教えてください。

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