肉厚マダイ

ゲノム編集で肉厚にしたマダイ。筋肉の発達を制御する遺伝子をゲノム編集技術で働かなくすることによって作出されました。『自然界でおこる突然変異とメカニズムは同じ』、『いやいや、それを好きな時に人為的に起こす時点で同じじゃない』など賛否両論の意見が飛び交っていますが、魚に携わる側からみると先ず養殖効率はどうなのだろう?という素朴な疑問があります。肉の厚さについてはもちろん、成長や飼料効率についての情報も出ているようですが、魚を飼うことから商品/食品/消費に至るまでの全行程を範囲とする養殖という産業の効率化にどの程度貢献できるかについての具体的な検証と証明はこれからです。

最近の総説(Blix et al., 2021)によれば、世界ではおおよそ20種程度の魚種でゲノム編集の研究が行われており、養殖の分野では主に成熟、成長、色素、抗病性について、また魚種はティラピアやサーモン/トラウト、国別では中国、アメリカ、ノルウェーでの研究が上位を占めています。日本の研究が自国の養殖のみならず世界の養殖に貢献してその意義と存在感を高めていくことにも期待です。

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