EPの性能:崩壊性と消化管通過速度
マッシュの脂質レベルの違いが飼料(EP)の崩壊性や消化管通過速度に影響を与えるという論文です。最終製品の脂質レベルを上手く合わせて試験飼料を調製しています。エクストルーダーを持つ機関や大学が増えてきており、モイストペレットを使用する限りは対象になり得ないこのような飼料製造と魚類栄養生理の基礎に関わる分野の研究がますます進んでいくでしょう。
アトランティックサーモンの低魚粉飼料の配合での試験ですので適用できる範囲には制限があると思いますが、程度の違いはあれ、また脂質のみがファクターでもなく、他魚種のEP飼料の製造時にも留意すべきとところを感じることができる良い論文だと思います。それとこの論文で興味深いのは、EPの崩壊性が高ければ空胃や腸を通過するスピードが速まるに伴って摂餌量が増加するものの、魚体重、成長速度、増肉係数(FCR)などの飼育成績は目立った影響を受けなかったという飼育の結果です。
魚がエサ(EP)を元気よくバクバクと食べてくれるのはいいですが、後日「あれ?期待していたようには成長していないなぁ?」となる原因の一つにはここで論じられている飼料製造上の変動(最終製品のスペックが変わっていなくとも)もあるのでしょう。摂餌量が異常を感じないほどに確保されている(低くない)のであれば、EPの性能の評価は出来上がってくるから魚から判断すべきというベテラン養魚家の経験則を支持する内容でもあります。
Disintegration stability of extruded fish feed affects gastric functions in Atlantic salmon (Salmo salar)
In the present study, two salmon feeds with different disintegration stabilities were produced by impacting extruder viscous heat dissipation with the…
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