World Aquaculture SocietyのYouTubeチェンネル

コロナの影響で大会が延期されたり、代わりにwebinarが計画されたりで、これまで静かだったWorld Aquaculture SocietyのYouTubeチェンネルが賑やかになっています。オンラインへと変更になったPlenary talkやセッションのKeynoteがアップされていますので、自分の好きなタイミングでバック/フォワードしながら、養殖産業/科学のトピックスやトレンドをチェックできるのはいいですね。大学の学生/院生さんに対してもいい教材になるでしょう。

ノルウェーとニュージーランドからの生簀の付着生物や汚れに関するwebinarが1題ずつ抜き出されてアップされています。ノルウェーからの発表ではin situ(現場)でのネットクリーニング(網掃除)で除去された付着生物や汚れが流れ移動して近隣の生簀(漁場)を汚染することを表したシミュレーションや、1回のネットクリーニングで網をコートしている防汚剤の30%が落ち、35回では90%が落ちること、また、このようなネットクリーニングによる防汚剤の剥離で年間1,250トンの銅が失われており環境的にも金銭的にも憂慮すべき事象になっていることが紹介されています。一方でニュージーランドからは、2012年以降は生簀網の防汚剤処理は行っておらず、しかしアザラシなどの外敵から生簀網を守るpredator netについては処理を行うことや、ノルウェーと同様に付着生物によると思われる魚への外傷(+二次感染)被害があり、そこに注目した研究が行われていることが紹介されています。ノルウェーもニュージーランドも高水温期には5日~1週間の間隔でネットクリーニングが必要であり、こういうところの経費は相対的に小さいながらも無視できない金額になっているでしょうね。ニュージーランドに関してはなじみがなかったので発表の内容が新鮮に感じました。

World Aquaculture SocietyのYouTubeチェンネル、ぜひご覧ください。

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