サーモン養殖における分業
前回紹介したwebinarは生簀網のクリーニングについて触れていました。webinarを見た方から『あれだけ大規模に魚を飼っていたら、生簀網を頻繁にクリーニングする労力はすごいでしょうね』という感想をいただきましたが、実は『そうでもない』のです。そういってしまうと語弊もありますが、海外の養殖では結構あることで、クリーニングはクリーニング屋さんにお願いしており、養殖会社が自ら行うわけではありません。日本の養殖産業では基本的にすべてを自社で行う傾向にありますが、海外ではそれぞれの作業をそれぞれの事業体が行う分業化が顕著です。SalmonBusinessの最近の報道から例をあげると、サービス会社のFrøyが養殖会社から4年間のクリーニング作業を2500~3000万ユーロで請けています。また、規模が大きな養殖であるがゆえに、死亡した魚、特に何らかの原因で大量に死亡した魚を回収するのも養殖会社が自らする(できる)わけでありません。回収屋さんが来てくれます。Nordlaksが運用する今話題の超大型養殖船Jopstein Albertから(おそらく)死亡魚を回収するために、副産物加工会社Hordaforの回収船2隻が派遣されていたことが今月初めに報道されています。Frøyはクリーニング以外にも活漁船、ウニシラミ駆除など、またHordaforは死魚回収以外に加工場からの副産物で魚タンパク/魚油製品の製造を手掛けます。もちろん、すべての養殖会社がこのような外部リソースにどっぷりと依存しているのではありませんが、海外で大規模養殖が成し得ているのは、それぞれにプロ化されているこのような専門会社と魚を飼う養殖会社による協業が確立されていることにもよるのでしょう。一部の養殖企業ではこのような専門的作業を含め全てをインテグレーション化する動きもありますが、ここまで高度に専門化されている作業を自社で一から開発するは大変難しいようです。SalmonBusinesの記事にはJopstein Albertに向かった回収船Hordafôrの航跡も掲載されています。養殖船も回収船もリアルタイムに追跡される時代になりました。
High traffic of silage vessels from the gigantic salmon ocean farm "Jostein Albert"
“You don’t wait until the feed silos are empty or for the silage tanks to be full before we carry out such logistics operations,” said Nordlaks’ head of communications Lars Fredrik Martinussen. According to an overview SalmonBusiness has collected from Barentswatch, there has been significant shipping to and from “Jostein Albert” over the past six-seven […]
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