昆虫のポテンシャル
主にヒトの食品用としての昆虫という観点から書かれている記事ですが、そのなかで触れられているフランスのインセクト(Ynsect)に代表されるように、飼料用の昆虫を生産する産業も世界で急速に拡大しています。理由はいろいろですが、魚粉の代替原料として使用されてきた植物原料、特にsustainabilityとtraceabilityを担保できる大豆のavailabilityに大きな制限がかかってきたことと、従来からの陸上動物(主にトリやブタ)由来の代替原料を敬遠する考えが未だ健在(?)であることがその一つと考えられます。大豆ではGMOフリーや熱帯雨林保護からの制限といったキーワードを使ってお伝えしたほうが分かりやすいかもしれません。陸上動物由来の原料については『自然で魚はトリやブタを食べないから』といった考えや、『狂牛病』に対するトラウマ的な感情がまだまだ存在するからでしょう。一方、昆虫には(今のところ)遺伝子改変やアマゾンのような環境にかかわる話題は少ないですし、『魚はもともと昆虫を食べている(特に淡水魚やサケ・マスなどの遡河回遊魚では)』といった感覚が一般に受け入れられているところが強みになっているとも感じます(魚でも鳥類を食べる例はあるのですが…)。そういった意味では、魚粉だけでなく植物や陸上動物由来の原料をも代替していく飼料原料としての性能や機能性が、昆虫ミールやオイルに求められてきているとも言えそうです。もちろん、他方で注目されている微生物や藻類由来の原料もその例外ではありません。
昆虫生産のオートメーション化をビジネスとするデンマークのDanish Insect Automation ApSが、Google Mapを利用してThe Insect Industry Map(昆虫産業地図)を作成しています。会社名、電話番号、ホームページのURLなどを気軽に伝えれば地図に加えてくれます。地図上で日本からは0(ゼロ)ですので、興味がある方はぜひ登録されてはいかがでしょうか?現在、世界から160社の登録です。
欧州で本格化する「代替肉」は昆虫! 900万人の欧州人の舌をとらえる | 未来コトハジメ
ミールワームという虫をご存知だろうか。爬虫類や小鳥の餌などとして飼育されてきた甲虫の幼虫である。実は今年(2021年)1月、欧州ではこれが人の食用として「安全」と正式に評価された。これを受け、欧州の昆虫食市場は今、にわかに活気を帯びてきた。4月中旬には、ミールワーム養殖事業を手掛けるフランス企業インセクトが、オランダの食用ミールワームの先端企業プロティファームを買収。事業を拡大している。そこで、ベルギーを拠点とする欧州の昆虫食関連団体IPIFF(International Platform of Insects for Food and Feed)の事務局長クリストフ・デリアン氏に同地の昆虫食の動向を聞いた。
コメント
コメントを投稿
コメントありがとうございます。大切に読ませていただきます。