嫌気発酵でのアスタキサンチン製造
天然アスタキサンチンが水産養殖飼料の色素源として、もっと身近なものになるかもしれません。ハワイ拠点のKuehnle AgroSystems(KAS)がヘマトコッカスから天然アスタキサンチンを大量生産する新規の培養法を確立したことが報じられています。ヘマトコッカス由来のアスタキサンチンはすでに市場流通していますが、これら従来のものは光がある明条件下で培養・生産されるものであるのに対し、KASの技術では暗条件下で培養して嫌気発酵過程を経るもののようです。パテントがまだ公開されていないようですので技術の詳細は分かりませんが、Aquafeed.comの製品記事では生産に必要な時間とコストを従来の培養法よりも80~90%削減できると紹介されています。天然アスタキサンチンとしては従来のヘマトコッカスだけでなく、ファフィア酵母、パラコッカス由来のものがありますが、いずれも合成アスタキサンチンと比べると先ずは価格で苦戦する現状があります。水産養殖アクセラレターHATCHのGLOBAL COHORT 2019にも選出されているKASの技術。既存のものより高効率・低コストで天然アスタキサンチンを製造・供給できることがスケールアップで実証されれば、オーガニック養殖飼料用としてはもちろんのこと、通常の養殖飼料用の色素源としてのポテンシャルも一気に広がると思われます。
New astaxanthin player debuts armed with ‘dark fermentation’ patent
A new player is on the verge of entering the astaxanthin and other markets with the granting of a patent on a ‘dark fermentation’ process for cultivating Haematococcus pluvialis and other algae species.
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