魚粉を賢く使う大切さ
おおよそ1年前にNatureの記事「How the global fish market contributes to human micronutrient deficiencies/ヒト(人間)の微量栄養素欠乏に対する魚の貢献」を紹介し、途上国で生産される魚粉の役割と価値について考えました。今回紹介するTBSテレビのシリーズ「SDGs」の動画は、実際に現地においてどのようなことが起こっているのかをレポートしたものです。いろいろなことが複雑に絡み合っている問題ですので難しいレポートだったと思いますが、短い時間で上手くまとめられています。どうしても魚粉を否定してしまう論調になってしまうのは、内容のバランスをとる難しさによるものでしょう。下に昨年の記事紹介を再掲載しました。大切なことは上手く賢く持続性をもって魚粉を使っていくことだと思います。
2019/12/23のNature記事紹介 私の仕事の領域で魚粉といえば養魚飼料の原料の一つですが、原産国では原魚種が人々の食糧になっているケースがあるのも事実です。このコンフリクト、急激な人口増加が予測されるなかで益々クローズアップされるようになってきました。国連のSDGsも大きく影響しているのでしょう。アフリカでは輸出用の魚粉の製造量の増大で、これまで伝統的に食されてきた小魚の価格が高騰して食用にはあまり回らなくなっているようです。小魚にはヒトにとって栄養学的に優れた微量栄養素やタンパク質が含まれています。特に子供が正常な発育する過程で重要な役割を果たす栄養素が多く存在します。魚粉製造という新たな産業が経済的な恩恵を原産国にもたらすことは良いことですが、同時に食用としても持続的に利用できるように上手く資源管理していくことの重要性が増してくるでしょう。これまでIUU漁業、違法労働、環境などの観点から論じられることが多かった魚粉。その原魚が食用としてもどれだけマネジメントされているのかなど、新たな視点からの評価が魚粉に対してなされてくるかもしれません。天然魚と養殖魚の両方がヒトの将来には必要なのですから。
【SDGsプロジェクト】養殖のエサになる魚も…乱獲の実態 │ TBS NEWS 【現場から、】SDGs 2030年の世界へ
TBS NEWS 【現場から、】SDGs 2030年の世界へのサイトです。
コメント
コメントを投稿
コメントありがとうございます。大切に読ませていただきます。