バランスの大切さ
この記事にも紹介されているように最近では陸上養殖(RAS)と細胞培養による魚介類肉の生産について大きく報道されることが多くなってきました。以前から私のところにも投資会社や出資を検討している企業から現状と将来性についてのオピニオンを求める問い合わせがありますが、コロナ・パンデミックの影響もあってか、ここにきて注目度が急激に上昇してきているなと感じています。しかし、ここで心にとめておきたいのは、RASだけでも、細胞培養だけでも、またその併用だけでも、食料としての魚介類の生産を質的・量的に賄うのは難しいだろうということです。既存の海・湖・池面養殖も並行して進化させ、それらを両輪として動かしていくことでなければ、人間(ヒト)を養い満足させていくことは困難でしょう。陸と水界の両方をフルに活用していかなければならないと思います。現状ではRASと細胞培養のいずれにおいても商売として独り立ちしているケースはほとんどありません。それなのに多くの関心がそこに集まるのは「環境にやさしい」や「動物を殺さない」など投資家や出資者、そして一般の消費者にとって理解しやすくインパクトがあるキーワードが存在するためです。華やかですしね。その一方で常に比較対照される海・湖・池面養殖は実績があるにも関わらずネガティブに捉えられがち。関心・評価のインバランスを心配しています。RASが良い、細胞培養が良い、海・湖・池面養殖が良いということではなく、バランスを保つためには?できることから始めている今日この頃です。
サーモンは陸上養殖…食物はどこでもつくれる
人口は2050年に90億人に達すると予測されている。そのとき、私たちは人間らしい食を満喫することができるのだろうか。大地や海の恵みは有限だ。食料を適切に行き渡らせることができないなら、持続可能な農業や牧畜、水産の取り組みを前に進めるしかない。場所を選ばず食物をつくり、地産地消に持ち込めるかが人類を救う。
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