エビ養殖とプロバイオティクス

エビ養殖におけるプロバイオテックスについての総説(オープンアクセス)です。エビの場合は飼料だけでなく環境水中への摘要もありますので魚類の場合とは異なるところもありますが、プロバイオティクスとその作用メカニズムを基本的なところから簡単かつ詳しく説明してくれていますのでとても参考になりました。

プロバイオティクスとして利用される、あるいはそのポテンシャルがある微生物についてもグループごとに解説されていますし、作用メカニズムとしての競合排除についてはその知識をまとめる良い復習にもなります。抗生物質耐性(AMR)問題に対する一つのソリューションとしても研究がますます盛んになってきているプロバイオテックス、「ほんとに効くの?」とか「効いたり効かなかったり」というような得体のしれないものとして捉えられていた時代は今では遠い昔のことになりました。

プロバイオティクスは「生きたかたちでホストに利益をもたらす」ことになりますが、この他にもそれらの微生物の生産物を利用するポストバイオティックス、それらの微生物を食餌によりはぐくむプレバイオティクス、プロバイオティクスとプレバイオティクスの協働を期待するシンバイオティクス、機能性を高く保ったままの死菌体などなど、水産養殖でも様々なかたちで有用な微生物を科学的エビデンスをもって活用する機会がどんどん増えてくるものと思われます。言い換えれば、どのようなかたちにせよ有用な微生物を使いこなしていくことがこれからの水産養殖には欠かせないものになってくるのかもしれませんね。

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