魚やエビは魚粉を必要としているのではなく

「The Current and Future Outlook of Aquaculture and Aquaculture Nutrition」との題でAlbert Tacon博士のプレゼンテーションです。Webinar後半のデスカッションやQ & Aを含めると1時間半の長さになりますが、プレゼンテーションでは最新のFAO統計に基づいた水産養殖産業の現状やそこから見える将来像を、また人それぞれの見方や考え方があると前置きしつつも水産養殖産業が向き合うべき課題、例えば魚粉・魚油代替原料の開発、R&D施設の重要性、原料のポテンシャルを引き出すための工夫など、を養殖魚類栄養学の研究者の立場から述べています。水産養殖のヒト(人間)への食の供給と健康維持のための役割と重要性についても自らの大学とFAOでのキャリア・経験を踏まえて語っており、分かりやすく、ためになる「講義」に久しぶりに出たなという感覚になりました。Tacon博士といえば「魚やエビは魚粉を必要としているのではなく、、、、」の言葉でも有名な研究者ですが、このように手軽に好きな時間にインターネットを通して講義を聴ける大変便利な時代になりました。後半では各代替タンパク源の特徴と課題、バイオフロック技術とRAS技術との比較、またGMOの捉え方についてゴールデンライス(golden rice)や消費者への利益を絡めたデスカッションもあり、水産養殖を志す若い人達が経験と実績を持つ老練研究者の考え方を聞く良い機会のWebinarであるとも思います。 


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