トレンド:シングルセルプロテイン

昨年12月の投稿でシングルセルプロテインのUnibioが三菱商事さんからの資金調達で事業拡大を目指すことを紹介しました。それから目立った動きがないなと(勝手に)思っていましたが、先週末にヨーロッパとのビデオ会議(の中休み)でUnibioについて聞いたところ、(あなたの古巣の)Skrettingがティラピアでトライアルを開始するらしいよ、とのことでした。ので、インターネットで検索した添付の記事によると、ティラピアとは書かれていませんが、確かにそのような動きはあるようです。

三菱商事さんが資金を注入するということは実現・実用性が高い飼料タンパク源なのだろうと思っていましたが、Skrettingも関わってくるとなると想像が確信に変わるといったところでしょうか。有望なシングルセルプロテインなのでしょう。Skrettingだけにもちろんサーモンやエビでも検討されると思います。

今回のコロナウィルス禍ではさすがにいったん急落した世界の水産養殖市場ですが、回復も着実に進んでいるようです。水産飼料のグローバル生産量は約4,000万トン、そのうち約10%(400万トン)がサーモン類、約18%約(700万トン)がエビ、約13%(500万トン)がティラピアで;つまりこれら3カテゴリーの水産養殖飼料が世界の水産養殖飼料の約40%(1600万トン)を占めています。ここに1%でも配合されれば16万トン、2%配合されれば32万トン、5%であれば80万トンのボリュームが見込めるわけで、3社ともに将来的な水産養殖拡大のポテンシャルも併せて考え、ビジネスの持続的成長、持続的代替タンパク源の確保、環境持続性への配慮といったターゲットを十分に達成できる計画を策定しているのでしょう。

どのようなトライアルの結果が出てくるのか楽しみです。

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