養殖水産物の国際認証:いろいろあるのはどうして?
イトーヨーカ堂さんがMELを取得という記事ですね。先月では西友さんがBAP取得製品の取り扱い開始という記事があり、水産養殖認証を取り巻く環境も賑やか(?)になってきました。
イトーヨーカ堂さん、西友さんはMELあるいはBAPだけでなく、ASC認証製品も取り扱われています。このように、同一の事業者・事業体が複数の水産養殖認証に関わっていることも今や珍しいことではありません。今月初めにはマルキンさんが養殖でMELを取得してさらにASCの取得も目指すという報道もありましたね。どれもGSSIに承認された水産養殖認証スキームですので、どうして複数の認証を持つ必要があるの?と不思議に感じられると思われますが、それぞれで内容・基準・ハードルの高さやインフルエンサーが異なっており、それが故に、ビジネスパートナーやターゲット、また、それが国内か海外(アジアか、欧州か、米国か?など)かによって、切るカードを選ぶ必要があるからです。
どの認証を取るにも、また再審査を受けるにも手間とコストがかかりますが、その程度は認証によって異なるのが事実です。かといって、そこにプライオリティーをおいて認証を選択してしまうと、後にその認証は何の役にも立たないといったことになってしまいます。大切なのは現在と将来のビジネスにとって、どの認証がベストチョイスなのか、あるいは複数の認証が必要なのか、また、そもそも認証は必要なのかなどについて見極めるということにつきます。
先月末にはGSSIの水産認証の承認方法や再審査の基準を厳格化するというニュースがありました。労働者の人権などに重点を置くというアナウンスになっていますが、他の中身についても承認の基準が厳しくなると予想されています。このような世界の動きへもアンテナを張って水産養殖認証への対応を決めていくことも大切です。
イトーヨーカ堂が水産エコラベル『MEL認証』取得 155店舗で発売
イトーヨーカ堂(東京都千代田区)は4月10日、日本の大手小売業として初めて、環境に配慮し漁獲・養殖された水産物の認証制度「MEL認証」を取得したと発表した。まずは同社のオリジナルブランド商品「顔が見えるお魚。」合計4魚種(ぶり、かんぱち、真鯛、平目)に「MELマーク」を付与し、4月13日から全国155店舗のイトーヨーカドーで発売した。
コメント
コメントを投稿
コメントありがとうございます。大切に読ませていただきます。