クロマグロ親魚水槽@スペイン
スペインのテレビのサイトで国立研究所Instituto Español de Oceanografía(IEO)のクロマグロの陸上親魚RAS施設の映像がアップされています。私も設計を少しですが手伝っており、映像に出ている人たちと一緒に24時間クロマグロをつくり育てていましたので、施設がうまく稼働しているのを見て大変うれしく思っている次第です。さて、この施設には水槽が4基あり、そのうちの2基は直径22m、深さ9.5m、容積3,500m3、次いで直径20m、深さ8.0m、容積2,500m3と超大型です。日本では長崎県にある国立の西海区水産研究所にクロマグロの親魚水槽があり、その大きさは直径20m、深さ6.0m、容積約1,900m3ですので、これに比べてもスペインの水槽の大きさが分かります。日本ではその施設で2014年にクロマグロの産卵に成功しています。スペインでは沖の生簀で飼っていた親魚候補の魚が大きな嵐で死亡したため、この陸上施設に揚げることができなかったのですが、その代わりに現在水槽にいる魚が来年には産卵することが期待されます。この施設は現在EUで強力に進められている研究共同体構想のAQUAEXCEL 2020に参加しており、各国の研究機関や企業がこの施設を使用して、魚(クロマグロ)のことはもちろん、RAS(循環システム)オペレーション最適化のための水質や水量、ポンプ、ろ過、殺菌などの物理設備などについての研究と研修・トレーニングを進めることができるようになっています。世界的にRASのオペレーター(優秀な)が絶対的に不足しているのが現状で、このような実動しているRASで志ある人が研究やトレーニングの機会を得ることができるのはとても良いことだと思います。
Lab24 - Domesticando al atún rojo
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