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福島原発:魚の飼育への挑戦

企業の責任として行うべきことであるとしても、水産人でない方々が未経験の魚の飼育に取り組み、自ら行動して信頼性を高めようとする姿勢に感銘を受けました。私たちにもできることはないか?それぞれの立場から考え、行動することの重要性を再認識させてくれます。 原発処理水で飼育したヒラメ 託す安心「理屈より目で見て」 - 日本経済新聞 6月、福島第1原子力発電所で東京電力ホールディングスの山中和夫は、水槽で泳ぐ約550匹のヒラメの世話をしていた。処理水で育て、安全に問題がないかを調べるのが仕事だ。東電はトリチウムの濃度が基準以下になるように海水で薄めて放出する。データで地元に安全性を説明したが、難しい言葉を並べるよりも「魚を飼って見せて」との要望を受けた。理屈ではなく、目で見て不安を取り除きたい――。地元の声に対応し、昨

喉元過ぎれば・・・魚粉高騰

今般の異常ともいえる飼料価格の高騰は、ほぼ全ての飼料原料の価格上昇によるもので、魚粉のみに原因するわけではありませんが、魚粉をおおよそ40%程度含む日本の養魚飼料にとっては、比較的大きなインパクトを持つもの事実でしょう。国産のイワシ魚粉や、小売りからでる、いわゆる都市残渣ミールもあるものの、これらの魚粉も多かれ少なかれ影響を受けており、バッファーとしての役割はあまり期待できません。 魚粉の価格変動は必ず起こるものと分かっているのに、いつも「喉元過ぎれば…」で来てしまっていることのしっぺ返しが、ロシアによるウクライナ侵攻もあって、今回は特に大きいものになっているところもあります。これまでは、大豆や小麦などで魚粉を補うとしましたが、今やこれらの植物原料も量的・価格的にタイトになり、それどころではなくなりました。昆虫やシングル・セル・プロテインなどの新規原料の実用化にもまだ工夫と時間が必要です。 しかし、一方で、日本には従来から存在し、ポテンシャルとアベイラビリティーがあるのに、継続的な補助や投資もなく未開発のままの原料があります。養魚飼料だけでなく畜産飼料や肥料にも言えることだと思いますが、国内にある既存の資源のフル活用を考えていくのも進むべき道のはずです。「次世代」や「異次元」を求めるだけではいけないでしょうね。 魚粉の国内価格が最高 養殖業、エサ不足で経営打撃 - 日本経済新聞 養殖魚のエサに使う魚粉の国内取引価格が、約8年半ぶりに最高値を更新した。原料となるカタクチイワシの主産国であるペルーが、漁獲枠削減と漁の延期を決め、世界的に不足感が強まった。日本の養殖業は魚粉の大半を輸入に頼る。国内価格は2020年初めの直近安値に比べて9割高く、養殖事業者はコストの大幅な増加に直面している。指標となるペルー産の国内取引価格(元卸、プライムグレード67%、東京)は6月中旬時点で

新規原料:微生物のポテンシャル

飼料の新規原料としての微生物のポテンシャルを考える上で、今回紹介するレビューは基本的な情報を与えてくれるものと思います。食品や健康への利用についての記述が多くなりますが、微生物活用のカテゴリーや歴史に始まり、微生物の種類、効果、栄養、タンパク源や代替肉への利用、機能性原料の製造、課題などについて、すごく簡潔にまとめ説明してくれており、飼料分野の方々にも大変参考になる内容になっています。 また、スタートアップや企業が、活用している微生物の種類や彼らの製品とともに、リストアップされている表もあって、現在、世界で、どのようなプレーヤーがどのように活動しているのかを知るための良い資料にもなるでしょう。 これからますます活発化してくる新規原料の探索。興味のある方は、ぜひご一読ください。 The microbial food revolution - Nature Communications In this Review article, the authors discuss the potential of microorganisms as a solution to the challenges faced by our food system. Engineered microorganisms can be used to produce enhanced foods and ingredients in a sustainable manner. The technical, economical, and societal limitations are also discussed together with the current and future perspectives.

「和」の魚

 私たちが思う以上に日本の食文化に対して興味を持っている人々が海外には多くおり、海外で日本の魚介類の販売量が伸びてきている原動力の一つでもありますが、この記事で紹介されているような和包丁をはじめ「和」のものを魚介類と一緒に(抱き合わせて)販売促進してシナジーを創造していくことがますます重要になってくるでしょう。 伝統の技で産み出される良質な包丁は、素材(魚介)の良さを十分に引き出し、料理のパフォーマンスを大幅に向上させますし、そのデザインやフォルムも海外の人たちにとって十分に魅力的です。 日本の酒、ワイン、水、お茶、野菜、果物などとも組み合わせればより多くの人々の心に響く「和」としてのインパクトを与えることができるはずです。 「和食」を押し付けるのではなく、現地食文化との「和」を尊重することも大切でしょうね。 青木刃物製作所 欧米・アジアに和包丁 - 日本経済新聞 日本料理に欠かせない和包丁。なかでも大阪・堺産は切れ味の良さで知られ、多くのプロの料理人が愛用しているという。世界への和食の広がりと歩調を合わせ、食材の繊細な舌触りと豊かなうまみを引き出す堺産和包丁の知名度も上がっている。その最前線で市場を開拓してきたのが「堺孝行」ブランドを展開する青木刃物製作所(堺市)だ。「いい包丁を並べたら売れるわけではない」。2022年10月、シンガポールのチャイナタウ

希少種 シマアジ

日本における海産養殖魚の総生産量は約25万トンで、多いものから順番にブリ(10.8万トン)、マダイ(6.2万トン)、カンパチ(2.5万トン)、ギンザケ(1.7万トン)ときて、ようやくその後にシマアジ(0.4万トン)が続きます。種々の要因が複雑に絡み合っての低い生産量なのですが、一方で、そのことと、抜群の美味しさ+日本の安さとがシナジーを生み、ちょっとしたブームになっているようです。以前からなかなか手の届かない価格帯の魚でしたが、稼ぎを生むインバウンドや輸出にむけられ、価格的にも量的にも私たちにとってはますます食べる機会が少なくなる希少種(?)になりつつあるのかもしれませんね。 餌代高騰、シマアジ3割高 - 日本経済新聞 高級魚として知られるシマアジの取引価格が上昇している。東京都が発表する平均価格は3割上昇した。餌代高騰などで生産コストが上昇した。中国での人気も価格を押し上げている。取引価格が大幅に下がる要素は乏しく、一般消費者には手が届かない「幻の魚」になる可能性がある。シマアジは古くから知られる魚だ。天然物の数は少ないものの、一部の高級料理店や飲食店に需要がある。卸売市場には高知や愛媛、九州地方を中心とし

タコは猫のように賢いから。。。

世界的なシーフードブームで需要が増している「タコ」。 以前もお話ししたように 、私たちの業界では養殖事業化に向けた動きが活発になってきていますが、そのため、しばしばタコの「知性」の問題とも正面から向き合う必要がでてきています。 今回のBBCのレポートで紹介されている屠殺(水産用語では〆(しめ))の方法もよく議論されるものの一つです。魚での方法や現状をそのまま魚ではないタコにも当てはめようとし、また、〆方についての非科学的な趣向を押し付けようとすると「ズレ」が生じるのは当然で、それが議論のかみ合わない原因になっているのが良く分かります。 また、タコは猫のように賢いのでしょうか?そういうことも問題ではないはずで、全ての生きとし生けるものは尊重されるべきものであり、それを忘れず生命をいただくことの大切さを議論することのほうがよほど重要ではないでしょうか。 先月末に日本水産学会の東京大会にあわせて、「タコ類の増養殖の現状と問題点」という講演会が開催されましたが、このような話題には全く触れられていなかったのは残念ですね。 World's first octopus farm proposals alarm scientists Methods used on the Spanish farm would be "cruel" to such intelligent animals say experts, as details emerge.

昆虫とともに

新規飼料原料の多くが魚粉代替としてうたわれていますが、今般では魚粉だけではなく大豆やコーンといった植物性タンパク源についても価格と量の両面で厳しい状況が続き、さらに今後の人口増加やそれに伴う飼料需給量の増大が必至であることを考えると、副原料や微量原料といったところまでの代替を考えていく必要があるでしょう。 さて、新規原料としてこの記事でも紹介されている昆虫が最近よく登場します。しかし、昆虫が他の原料よりも栄養価が高いというわけではなく、多くのタンパク源を代替できるというわけでもありません。他の原料と同様に、昆虫メインでは飼料として機能しないのが現実であり、他の既存原料や新規原料との最適な組み合わせを見つけることが、逆に昆虫を飼料原料として活用するために大切です。 なお、欧州で養魚飼料への昆虫利用が比較的進みやすい理由の一つは、ニワトリなどの人間の食用に生産された動物からの副産物よりも、昆虫の印象が良いことが挙げられます。日本でもそういった感覚があるでしょう。しかし、動物の副産物はそれを生産するための特別なエネルギーのインプットなしに人間の食生活から必然的に産れてくるものです。このような、もともとサステナビリティに優れた原料があることも忘れず、その養魚飼料への利用性を質および量的に高めることにも官民で積極的に投資していくべきであり、これが昆虫のような新規原料の利用性も高めることにもつながるはずです。 昆虫は優れたポテンシャルのある原料です。しかし、どのような原料でも「協力」して飼料になります。 丸紅、昆虫を養殖魚の餌に - 日本経済新聞 丸紅は栄養価の高い昆虫を使った養殖魚向け飼料の研究開発に乗り出す。フランスのスタートアップと提携しマダイなど日本に合う養殖用飼料を共同で開発する。魚の養殖で使う飼料の魚粉や大豆かすの輸入価格は、原材料の高騰などで上昇している。世界人口の増加で食糧難も懸念される。魚粉に使うイワシなどと比べて安定調達できる昆虫を、代替飼料として活用する動きが広がってきた。フランスのスタートアップ、インセクトと同社