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日本の技術が育つためには

養殖に限ったことではないと思いますが、日本発の優れた技術がビジネスとして収益化や大規模化に苦戦するのは、日本だけでの実装や展開を前提とした国内完結型の考えにこだわることも、その一因になっているように感じています。 ウナギの完全養殖は、長い研究の歴史のなかで達成された素晴らしい成果であり、先日の小売販売開始もビジネスとしての緒をつける大変意義深いものであることは間違いありません。しかし、研究成果や技術をより早い段階から国内外に広く展開して、グローバルな競争と協業のなかで磨いていかなければ、クロマグロの完全養殖と同様に、技術的成功と事業的成功の間に大きな隔たりができてしまうと思うのです。この二つの成功は、必ずしも同じではないのですから。 もちろん、育種、飼料、漁場についての工夫も養殖産業の発展に欠かせません。しかし、それらを含めて今後求められるのは、海外を含めた多様なプレーヤーを巻き込むオープンイノベーションだと思うのです。「敵に塩を送る」ということではなく、日本発の技術や知見を世界のなかで競争力へと転換し、その成果を日本へ還元していく。このように循環する流れをつくることが、これからの日本の養殖にとって、ますます重要になっていくように感じます。 せっかく芽生えたビジネスの芽を疲弊させることなく、世界の中で打たれ強く育てていくことも大切なのではないでしょうか。 養殖業の成長にコストの壁 急騰飼料は輸入頼み ウナギもブリも苦慮 国際的な海洋資源の保護意識の高まりや世界の魚食ブームによる天然物の魚価の高騰などを受けて、日本は水産物を自給するため養殖産業を成長させる必要がある。ただ成長は世界に見劣りする。背景にあるのがエサや稚魚育成、養殖場運営などの高コスト体質だ。