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12月, 2022の投稿を表示しています

魚粉代替の向こう

魚種や原料は異なりますが魚粉はペルー産だけでなく、アメリカ産、東南アジア産、ヨーロッパ産、アフリカ産などいろいろあります。現在の問題はこれらすべてで高く推移していることであり、よほど在庫状況や購買ポジションが良い商社や飼料メーカーでない限りはどこも苦しい状況が続いているといえるでしょう。 国産は比較的安定しているとも聞きますが、中長期的に考えると国内外の産地を問わず魚粉という飼料原料をいつまでも主要タンパク源と捉えるのはやめて、かといって、魚粉を減らして他の原料で埋める(魚粉代替)ということでなく、種々の原料を組み合わせて飼料のタンパク質を確保するコンセプトを持つことが大切なのだと思います。 魚粉は大変優れた原料であるのは事実です。しかし、家禽、微細藻類、シングルセル、昆虫などポテンシャルをもつ原料が身近にあるにもかかわらず、それらの量的(利用)および質的(品質)課題の解決に向けた理解や投資が進んでいないという事実も認識し対応していく必要があります。 魚粉、3割弱値上がり 養殖魚のエサに使う魚粉に先高観が出ている。原料となるカタクチイワシの漁獲量が減る見通しだ。漁獲枠は1割強ほど拡大したものの、漁期開始日の遅れが響く。ペルー産魚粉の国内価格は、上級品で1トン28万~28万5千円と前年同期比で3割弱ほど高い。魚粉価格の高値圏が続けば、養殖事業者が出荷する魚への価格転嫁を本格化する可能性がある。世界最大の魚粉生産国である南米ペルーでは毎年、夏(11月中旬~1月下旬ご

アニサキスについての正しい理解

日本で問題になるアニサキスは3種類(うち1種は同亜科異属)。正しく理解して美味しく魚介をいただきましょう🐟 アニサキス症 日本で多い?その理由とは? | NHK | WEB特集 【NHK】生きたままヒトの体内に入ると、激しい痛みやおう吐を引き起こすアニサキス。なぜ日本で多いのか?最新の研究動向を調べてみた。

海外での養殖ブリの人気

ブリの輸出と海外での人気についての英文記事です。英語学習用の短い記事ですが、用語の使い方や表現は海外の方とブリについて話すときに役立ちますね。別途、コメント欄で紹介する門司税関の資料からもブリ(類)の輸出量は1万トンを超え、金額で約200億円になっていることが分かります。ほとんどが養殖のもので、日本の養殖ブリの品質の高さが海外で評価されている証ともいえるでしょう。多くは九州(福岡県)から輸出されている養殖ブリ。天然種苗と人工種苗をバランスよく使う日本にしかできない養殖が、日本の養殖ブリ輸出のさらなる促進に欠かせないものになるはずです。また、海外でのブリの陸上養殖の可能性も現実的にビジネスとして考えられる時代になったとも言えます。 ブリ、世界的人気で高騰 【対訳】日本で冬の刺し身として最も好まれている魚の一つが今年、世界的な人気の高まりから高騰している。輸出額は(1)過去最高を記録した。日本語でブリと呼ばれるイエローテールは身が引き締まり(3)脂が乗った食感で北米やアジアなどの魚好き(2)を魅了している。人気の高まりはノルウェーサーモン(4)と比較される。農林水産省のデータでは、2021年のブリの輸出額は(前年比)約40%増えて過去最高を記録

空き部屋での陸上養殖

UR都市機構さんは空き家(部屋)の活用法として陸上養殖の可能性を検討されたいのだと思いますが、ただ単に空き家(部屋)を埋めればよいということでなければ、高密度での実証試験を行わない限り採算性について検討することは難しいでしょう。特に、映像で紹介されているような小スペースを活用するには「超」高密度の域を目指す必要があると思われます。また、比較的単価が高い生物種(高付加価値種)の可能性を検討されたいのも理解できますが、陸上養殖では単価だけでなく増肉係数(FCR)が低いものを対象とするのが基本ですし、そもそもそのような高付加価値種の陸上養殖技術は未開発である事実を考慮しなければなりません。ちょっと心配ですね。 団地の空き部屋を養殖場に活用 URが神戸市で実証実験始める|NHK 兵庫県のニュース 【NHK】人口減少などのために増えている集合住宅の空き部屋を活用しようと、UR都市機構は、神戸市の団地で、エビや魚の養殖を行う実証実験を始めました。…

World Aquaculture 2022 Singapore

コロナで2年延期されていたWorld Aquaculture Societyの大会がシンガポールで開催され、魚ではバラマンディ(アカメ)、ナマズ、ティラピア、コイ、甲殻類ではバナメイ、ブラックタイガー、テナガエビ、マッドクラブ(ガザミ)などアジアの養殖対象種について幅広い分野での刺激的な知見が紹介されました。日本からの参加者はほぼなく、アジアの養殖研究/産業における日本のプレゼンスの行方が心配になりましたが、やはりこのような機会に各国/各地からの生の情報に触れ自身をアップデートすることが心身→仕事の活性化には欠かせませんね。 World Aquaculture Singapore 2022 - Singapore | World Aquaculture Society | World Aquaculture Society Meetings WORLD AQUACULTURE Singapore 2022 will be held in Singapore with involvement from countries throughout the Asian-Pacific region and around the world. Aquaculture is rapidly growing in the Asian-Pacific region and increasingly being integrated into the Singapore food systems; therefore 2020 is the perfect time for the world aquaculture community to focus on Singapore. A major international trade show at WORLD AQUACULTURE 2020 is the place to learn about the latest

海外活動の一つ

ふだん活動を公にすることはないのですが、ひょんなことからそのうちの一つが表に出ました。EUでのプロジェクトを手伝っています。 Next Tuna GmbH on LinkedIn: #research #IEO #NextTuna Last month, the Instituto Español de Oceanografía (IEO) and Next Tuna held a workshop on Atlantic Bluefin Tuna (ABT) reproduction in recirculating aqua...