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8月, 2020の投稿を表示しています

離乳食としてのブリ

赤ちゃんの離乳食にブリはいかがでしょうか? お母さんのお魚摂取とお子さんの発達との関りについて紹介した先日の投稿の続きのように偶然にもなってしまいますが、EPAやDHAだけでなくタンパク質やミネラルに富むブリは赤ちゃんの発育をサポートします。赤ちゃんへの料理でここまで手の込んだものを?とぱっと見で思ってしまいましたが、赤ちゃんへということは同時にお母さん、お父さん、兄弟姉妹、おじいさん、おばあさんも一緒にということですね。 こうやってブリで健康に育った赤ちゃんが、さらに大きく成長する過程でもブリを食べてくれ、大人になってもブリを食べてくれて、そして自分の子供たちにもブリを食べさせてくれる。こういう循環を生み育んでいくことも水産養殖の持続的発展には欠かせないことだと思います。買い物に行くと必ず鮮魚コーナーにしばらく留まり様子をみますが、お子さんに魚を選ばす親御さんが意外と多いことに気づきます。「サーモン!」と言うお子さんが多いなかで、「ブリ!」と言ってくれるお子さんをどう増やしていくか?まずは赤ちゃんに食べてもらうように工夫することも大切なのでしょうね。 ここでは「ブリ」でしたが、もちろん同じことがマダイなど他の魚にもあてはまると思います。 離乳食のブリはいつから?下処理や冷凍方法、後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】 脂がのったブリはとてもおいしいものですが、赤ちゃんもブリを食べることができるのでしょうか。今回は、離乳食でブリを取り入れる際の注意点や開始時期の目安などを解説します。赤ちゃんもほかの家族もみんなで楽しめるブリのおすすめレシピ、ぜひお試しください。

ウニのエサ

磯焼けで身が入っていないウニにエサを与える養殖法が近頃盛んに試されています。磯焼けの軽減にもつながりますし、実(身)入りのウニも育ち収穫できるので一石二鳥の方法なのですが、その関連ニュースを見聞きするたびに感じるところがあります。 日本では産地での規格外や問屋・スーパーなどでの販売時に剥かれ捨てられるキャベツの葉、そして今回のニュースではクローバーと、「もったいない」ものや身近にあるものを上手く利用してウニを育てようとしていますが、一方、海外、特に欧州では配合飼料を与えることでウニを育てて身を入れようとします。この違いの理由は一つではないと思いますが、水産養殖で使用されるエサに対する捉え方と、エサの原料の安全性とトレーサビリティに関する考え方や規制の違いに大きく基づくものでしょう。 日本ではキャベツやクローバーを食用動物(ウニ)の飼料として使用する際に気に留めておくべきことを少し立ち止まって整理しておく必要があるでしょうし、一方の欧州ではもう少し柔軟性のある考え方と規則の運用がなされれば日本と同様の方法でのウニ養殖が広がる可能性があると思います。 https://news.yahoo.co.jp/articles/0bebcf41bbb72504f357c5f7a030ee7ea91856fc (リンクが切れていますが残しておきます)

EPAとDHAの力

以前「脳」の研究者に会ったとき、彼から「人の祖先が大移動で海にたどり着かず、そこでEPAやDHAを含む魚介類を食すことがなかったら、人類の発展はなかった」と聞いたことを思いだしました。 お母さん、お子さん8万人の大規模調査です。お母さんの魚の摂取量が多いと、お子さんの「微細運動」、「問題解決」などの力の発達が遅れにくくなるとのこと。やはりEPAやDHAがプラスに働くファクターのようです。今を生きる人類もお魚を食べよう!ということですね。 ただし、もちろん、ここにも書かれているように今後しっかりと結論づけていくには、いろいろな角度からの研究が必要です。 妊娠中のお母さんの魚摂取と生まれた子の発達の関係|エコチル調査 富山ユニットセンター 子どもの健康と環境に関する全国調査 富山大学は、環境省の進める子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)のユニットセンターに選定されました。

レゴブロックで水産養殖

欧州で水質、特にDOセンサーといえばOxyguardですが、今回はレゴブロック(LEGO)でRAS建設です。面白いですね。LEGOにはSalMar監修(?)のサーモン海上養殖施設(Ocean Farm 1)のパッケージがあるということ。OxyguardのRASバージョンは社内プロジェクトでの非売品のようですが、売り出されると購入してしまいそうです。 OxyGuard builds RAS fish farm from LEGO Aquaculture water industry experts construct a miniature, detailed replica of recirculating aquaculture system. OxyGuard, which provides water quality measuring, monitoring and control equipment for the aquaculture industry, has been busy playing around it seems (in a good way). Posted on LinkedIn, the company has built a one of a kind fish farm built from LEGO […]

エビ養殖とプロバイオティクス

エビ養殖におけるプロバイオテックスについての総説(オープンアクセス)です。エビの場合は飼料だけでなく環境水中への摘要もありますので魚類の場合とは異なるところもありますが、プロバイオティクスとその作用メカニズムを基本的なところから簡単かつ詳しく説明してくれていますのでとても参考になりました。 プロバイオティクスとして利用される、あるいはそのポテンシャルがある微生物についてもグループごとに解説されていますし、作用メカニズムとしての競合排除についてはその知識をまとめる良い復習にもなります。抗生物質耐性(AMR)問題に対する一つのソリューションとしても研究がますます盛んになってきているプロバイオテックス、「ほんとに効くの?」とか「効いたり効かなかったり」というような得体のしれないものとして捉えられていた時代は今では遠い昔のことになりました。 プロバイオティクスは「生きたかたちでホストに利益をもたらす」ことになりますが、この他にもそれらの微生物の生産物を利用するポストバイオティックス、それらの微生物を食餌によりはぐくむプレバイオティクス、プロバイオティクスとプレバイオティクスの協働を期待するシンバイオティクス、機能性を高く保ったままの死菌体などなど、水産養殖でも様々なかたちで有用な微生物を科学的エビデンスをもって活用する機会がどんどん増えてくるものと思われます。言い換えれば、どのようなかたちにせよ有用な微生物を使いこなしていくことがこれからの水産養殖には欠かせないものになってくるのかもしれませんね。 Probiotics and competitive exclusion of pathogens in shrimp aquaculture Probiotics, live microorganisms that, when administered in adequate amounts, confer a health benefit on the host, offer an alternative to antibiotics and have become popular among shrimp farmers for ...