廃棄物の価値と格好の良さ
先月のシーフードショーでも使用済みの漁網やロープを織り込んだ作業着などの衣類が紹介されていましたが、廃棄漁具や水産廃棄物をリサイクルする試みは数十年前から行われてきものの、これまでは、なかなか付加価値のある商品として仕上げることが難しいまま時が流れてきたという歴史があります。 その難しさの背景には、技術というテクニカルなところだけでなく、持続性やサステナビリティといったことについての教育がほぼ欠落していたことがあったのだと思います。公害などの問題について教育する/教育を受けるものの、そこから、教育する側も受ける側も持続性やサステナビリティへとは展開することがないのが自然な流れの時代でした。 低学年から双方向的な授業が活発に行われ、その中で育ってきている人たちだからこそ理解できる価値と格好の良さを持つ製品を作る技術が現在にはあり、そして、そのような技術もそのような人たちによって開発されてきているのが今とこれからということなのでしょう。 製品や技術のビジネス化も、その教育を受けてきた人たちだから可能になるのでしょうし、自分自身ではなく、勉強してきた子供たちに教わる親などの大人も加わり形成されていく流れなのだと思います。 いつまでも滞ることなく続く流れであってほしいですね。 「やっ貝もの」華麗に変身 ホタテやカキ殻 スーツ・棚・ネイル…環境にやさしく丈夫 キやホタテなどの貝殻が、スーツや化粧品、建築資材など価値の高いものに生まれ変わっている。日本は世界有数の貝生産国で、これまでも肥料や土木工事の資材として循環はしてきたが、価値は低かった。今、環境に優しい素材として新たな業界から注目される。海の「やっ貝もの」が漁師の収益にもなり始めた。