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希少種 シマアジ

日本における海産養殖魚の総生産量は約25万トンで、多いものから順番にブリ(10.8万トン)、マダイ(6.2万トン)、カンパチ(2.5万トン)、ギンザケ(1.7万トン)ときて、ようやくその後にシマアジ(0.4万トン)が続きます。種々の要因が複雑に絡み合っての低い生産量なのですが、一方で、そのことと、抜群の美味しさ+日本の安さとがシナジーを生み、ちょっとしたブームになっているようです。以前からなかなか手の届かない価格帯の魚でしたが、稼ぎを生むインバウンドや輸出にむけられ、価格的にも量的にも私たちにとってはますます食べる機会が少なくなる希少種(?)になりつつあるのかもしれませんね。 餌代高騰、シマアジ3割高 - 日本経済新聞 高級魚として知られるシマアジの取引価格が上昇している。東京都が発表する平均価格は3割上昇した。餌代高騰などで生産コストが上昇した。中国での人気も価格を押し上げている。取引価格が大幅に下がる要素は乏しく、一般消費者には手が届かない「幻の魚」になる可能性がある。シマアジは古くから知られる魚だ。天然物の数は少ないものの、一部の高級料理店や飲食店に需要がある。卸売市場には高知や愛媛、九州地方を中心とし

タコは猫のように賢いから。。。

世界的なシーフードブームで需要が増している「タコ」。 以前もお話ししたように 、私たちの業界では養殖事業化に向けた動きが活発になってきていますが、そのため、しばしばタコの「知性」の問題とも正面から向き合う必要がでてきています。 今回のBBCのレポートで紹介されている屠殺(水産用語では〆(しめ))の方法もよく議論されるものの一つです。魚での方法や現状をそのまま魚ではないタコにも当てはめようとし、また、〆方についての非科学的な趣向を押し付けようとすると「ズレ」が生じるのは当然で、それが議論のかみ合わない原因になっているのが良く分かります。 また、タコは猫のように賢いのでしょうか?そういうことも問題ではないはずで、全ての生きとし生けるものは尊重されるべきものであり、それを忘れず生命をいただくことの大切さを議論することのほうがよほど重要ではないでしょうか。 先月末に日本水産学会の東京大会にあわせて、「タコ類の増養殖の現状と問題点」という講演会が開催されましたが、このような話題には全く触れられていなかったのは残念ですね。 World's first octopus farm proposals alarm scientists Methods used on the Spanish farm would be "cruel" to such intelligent animals say experts, as details emerge.