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台風14号

台風と戦うことを宿命づけられている日本の養殖。これまでの数々の経験により頑強になってきているとはいえ、台風が来るたびに心配になります。今回は特に強力でした。周囲からも被害についての知らせが届き始めていますが、まだ詳細が分かっていないところも多いと思います。甚大なものにならなければよいのですが。 台風14号 漁業にも被害 佐伯市では養殖魚が大量死 甚大な被害 停電が長引く地区も(OBS大分放送) - Yahoo!ニュース 台風14号は大分県内各地に暴風と大雨の被害をもたらしました。通過から一夜明け漁業関係者らは対応に追われました。 (高橋宏明記者)「佐伯市蒲江では大量のごみが打ち上げられていて現在、片づけ作業が進め

「しらす」と「ちりめんじゃこ」の将来

主にカタクチイワシの稚魚「しらす」と「ちりめんじゃこ」に代表されるように、日本では小さな魚介類を食する文化があります。 しかし、そのサイズの魚介類を将来にわたって持続的に美味しくいただくには、あたりまえのことですが、そのサイズの魚介類が漁獲可能の資源状態でありつづけることが必要です。 例えば、次のURLにあるのはスペイン(地中海)で漁獲が許される魚介類の大きさを示したポスターですが、あちらのカタクチイワシ(ボケロンboquerón:一番左上)は全長9 cm以上のものでなければ獲ることができません。 http://www.carm.es/web/pagina?IDCONTENIDO=9246&IDTIPO=160&__PLANT_PERSONALIZADA=/JSP/CARM/plantillasPortal/imagenes/plantillaImagenAmpliada.jsp&RASTRO=c220$m1406 海外ではよく見られるサイズを基準にした制限ですが、日本でもこのようなことになれば「しらす」や「ちりめんじゃこ」、ひいてはそれを楽しむ食文化が消失してしまいますよね。 今回紹介する記事は日本の水産物資源の置かれている現状をやさしく解説してくれています。 小さな魚介類を利用する日本。それを上手に続けるには科学的にも国際的にも信頼性の高い資源管理の方法の確立に向けたいち早いスタートを日本独自にでも切るべきでしょう。 日本の漁業はこんな小さな魚を獲っても大丈夫なの? 小さな魚を獲ってはいけないことは誰にでもわかるはずです。しかし、それは大概、どこか他の国のことで、自分たちには関係がないことと思うことでしょう。しかしながら、その問題は、ごく身近にあるのです。

シロザケ陸上養殖への挑戦

アニメONE PIECEのキャラクターが陸上養殖されたサーモンをご馳走に楽しんでいる新聞広告(web siteは こちら )を拝見して、ダニッシュ・サーモンやプロキシマー・シーフードとのオペレーションを活発化していかれるのだろうと思っていましたが、自社独自での陸上養殖の可能性も検討されていたのですね。実証試験の結果が楽しみです。 また、この記事では言及されていませんが、対象種としてシロザケを選定された理由にも関心がもたれます。養殖が進んでいるギンザケ、ニジマス(トラウトサーモン)、タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)ではなく、どうしてシロザケなのか?日本の「鮭(サケ)」を代表する種類であり、また「鮭児(けいじ)」や「時不知(ときしらず)」といった強力なブランドが既に存在しており、それを利用できることもあるのかもしれません。 既存の養殖対象種よりも淡水期間が短くてすむシロザケ。養殖用としての育種が進んでいない部分をどれほどカバーできるのか?また、生産と並行してどのように育種を進めるのか?についても注目です。 丸紅、工場跡地でシロザケ養殖へ 北海道・釧路の日本製紙 安定供給へ事業化目指す(北海道新聞) - Yahoo!ニュース  【釧路】総合商社の丸紅(東京)が、昨年9月末に閉場した釧路市の日本製紙釧路工場跡地で、シロザケの陸上養殖を検討していることが1日、関係者への取材で分かった。本年度中に同工場跡地で始める実証実験の結