天然魚と養殖魚の調和
漁獲と養殖を融合しての管理指導を始めなければならない時期が過ぎているのに、そのまま突き進んでいるような状態が続いています。 天然の漁獲が増えれば養殖が見放され、逆に、漁獲に頼れなくなると養殖様様(さまさま)で戻ってくるけど、再び漁獲が回復すると、引き波のように去っていく。この従来からの原理が、天然と養殖の両方の新しい市場とビジネスの創生を妨げています。 日本のクロマグロ水産業は天然と養殖の両者で調和と互いの頑健性をもって成り立つべきであり、国はそれに資する施策を積極的に打つべきです。記事の後半でも触れられている養殖用の種苗(稚魚)についても同様で、天然と人工(ふ化場で飼育された)種苗の両立・共栄を捨てる方向に国が動いているのが残念な現実です。 将来的にこのようなことが続いていかないように、自分なりの方法で伝え続けています。 *ちなみに、記事には「クロマグロは1キログラム太らせるのに15キログラムのエサを必要とする。・・・」と述べられていますが、この15キロは生餌の湿重量ですので、ブリとサーモンの数字と同じ基準でみるために、生餌の水分を一般的な数字の70%と仮定すると、15×(100%-70%)=4.5となり、意外と低い値になります。 漁獲規制でクロマグロ回復、資源量12倍 養殖出荷は減少 クロマグロの数が回復傾向にある。日本では「本マグロ」とも呼ばれる高級品で、国内外ですしネタとして親しまれている。過去に日本の乱獲などで数が激減し、2015年に国際的な漁獲規制を導入して保護してきた。資源量の増加を受け、日本は漁獲枠の拡大を主張している