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養殖の資産価値の評価

養殖における資産価値の評価は、生簀内のバイオマス(biomass:尾数×魚体重)をいかに正確に求められるのかにかかっています。魚体重を推定するこのようなシステムの完成度はかなり高いものになってきていますが、尾数を求めるものの開発はすごく遅れているのが現状です。水中を早く泳ぐ動物であるという特性と、そのような魚を生簀の中にたくさん持つという養殖の特性によるものですが、この「尾数」を評価できるシステムができれば、国内だけでなく世界中でかなりのビジネスになるはずです。今回のプロジェクトでもぜひ挑戦していただきたいですね。 シーエーシー「魚体鑑定システム」実証 養殖いけす 丸ごと算定 システム開発のシーエーシー(東京・中央)は、長崎県の地方銀行や大学と、養殖いけすから出さずに高級魚の資産価値を丸ごと算定できるシステムを使った動産担保融資(ABL)の仕組みづくりに乗り出した。同社の画像認識技術などを活用しており、養殖事業者が資金を調達しやすくするのが狙い。同社などは燃料コストや飼料代の高騰などの課題に直面する水産業の成長をサポートする。

エクアドル:エビ養殖のこれから

The Fish Site掲載のエビ養殖産業界のベテラン、ロビンズ・マッキントッシュによるコラム(オピニオン)で、エクアドルのエビ養殖の歴史と現在について解説し、こらからの方向性について提言しています。 Low stocking density (低収容密度)やall pathogen exposure(APE:全病原体暴露)といった用語で良く説明された「穏やか」なエクアドルのエビ養殖にもtechnification(技術化)やintensification(集約化)が徐々に進んできているものの、しかし、今後はこれをエクアドルにあったものに最適化していく重要性を語っています。 エクアドルでも技術化と集約化が進むのは予てから私たちの間でも予想はされていましたが、東南アジアの経験を参考にしつつ、エクアドルにあった方法を見つけていくべきだという点には共感します。 東南アジアは東南アジア、エクアドルはエクアドルといったように、ある意味別々の養殖体系を上手く保っていくことが、ひいては世界のエビ養殖の継続した繁栄にもつながっていくのかもしれません。東南アジアでは新たなチャレンジを進める動きもあり注目が必要です。 また、なにを養殖するにも、どこで養殖するにも、重要なことは養殖というものの基本の尊重であることも、このコラムは思い出させてくれます。適用するシステムや技術はデフレ的であるべきだし、環境には水質的にも微生物的にも限界があることを知って収容密度を調整すべきだし、栄養的にも機能的にも優れた飼料(餌)を与えるべきであるし、目的にかなった観点から育種された種苗を使うべきであり、市場(マーケット)の形成にも自ら積極的に関わるべきことが求められます。 The perils of overintensification in shrimp farming While the slow intensification of shrimp farming appears to be working in Latin America, Ecuadorian producers should be wary of the Asian example, where even heav...