投稿

9月, 2023の投稿を表示しています

福島原発 処理水放出:学術界のアクション

出張を重ねている間に処理水放出とその水産物輸出への影響に関する報道が増えてきました。目に見えない放射能(放射性物質)について心配するのは至極当然(自然)のことであり、それに対して日本は積極的で透明かつ正確な情報の提供を通して、世界の理解を得ていく必要があります。 しかし、信頼性をさらに高めるには、国政府だけではなく、学術界からの活動(アクション)も欠かせなくなってきているはずなのに、私の知る限りでは、処理水放出に対して反対や憂慮する声明はだされているものの、擁護あるいは、少なくとも、今回の措置の妥当性を説明しているところは見当たりません。 中国による日本からの水産物全面禁輸の措置による水産業界のダメージは深刻です。中国のような極端な反応でなくとも、日本の水産物の安全性を心配している国(人々)は多くあります。日本国内でもそうでしょう。意見の取りまとめの難しさは容易に想像できますが、水産という産業で学術している科学者には、その産業を科学的にサポートするための能動的なアクションが求められます。 水産物の輸出拡大策に逆風 処理水で中国が全面禁輸 福島第1原子力発電所の処理水放出を受け、中国が日本産の水産物輸入を全面的に停止すると発表した。日本産農林水産品の輸出先のうち4割を占める中国や香港は輸入規制を強めてきたため、すでに水産物の価格に影響が出ている。農林水産品の輸出拡大をめざす日本の戦略に逆風となる。