魚の特性
哺乳類も肛門を通じて腸で呼吸できる:肺の機能が低下して呼吸が困難になった人を救う画期的な発想は昨年のイグノーベル賞の対象にもなりました。調べると、魚のドジョウの腸呼吸を一つのヒントとした目から鱗な思いつきが始まりの研究のようです。すごいですね。 ドジョウは古くから養殖の対象にされてきた魚で、統計上のはっきりとした数字はでてきませんが、日本を含むアジアにおいて今でもしっかり生産されています。最近では屋内での養殖も進んでいるようですが、従来から休耕田などの露地で飼われることがおおく、時には水中の酸素が少なくなるこのような環境で人(ヒト)がドジョウの養殖を続けてこれたのは、鰓(えら)だけでなくて腸でも呼吸できるこの魚の特殊な能力のおかげともいえるかなと思います。あまりなじみがないかもしれませんが実は(?)美味しい魚で、植物と魚を育てるアクアポニックスの対象魚としても注目されてきています。 ちなみに、世界では鰓だけに頼らない呼吸をする魚が盛んに養殖されています。例えば、ナマズの一種のアフリカナマズはその代表で、鰓の近くにある特殊な器官(ラビリンス器官)から空気中の酸素を取り込めます。このような能力をもつ仲間のナマズを含めると年間の生産量は100万トン以上。世界のタンパク供給の一端を担う動物(魚)になっており、これもすごいことです。 魚の特性が人を支え救うことにつながっている。ほんとに言う事無しで素晴らしいですね 「お尻から呼吸する」腸換気法の安全性をヒトで実証 -重症呼吸不全患者への臨床応用に向けて大きく前進- 東京科学大学(Science Tokyo)総合研究院 ヒト生物学研究ユニットの武部貴則教授(大阪大学大学院医学系研究科教授/同ヒューマン・メタバース疾患研究拠点 副拠点長)、名古屋大学医学部附属病院 麻酔科の藤井祐病院准教授らの研究チームは、腸換気法に用いる液体「パーフルオロデカリン(Perfluorodecalin, PFD)」の単回経肛門投与が、ヒトにおいて安全で忍容性が良好であることを、世界で初めて実施された臨床第1相試験(First-in-Human試験)により明らかにしました。