サケ・マス類の陸上養殖ではRASの運用やビジネスが難しいとして、対象種をブリ類に転換したり、そこから始めようとしたりするところがヨーロッパででてきています。この記事に紹介されている会社は、以前より小規模ながらカンパチ(ブリ類の1種)の生産を続けていたところであり、また、レモンソール(シタビラメ)、クロマグロ(大西洋)の人工生産にも挑戦してきた歴史がありますが、財政的な危機もあって所有者が幾度なく変わり、現在ではデンマークやノルウェーでヒラマサ(ブリ類の1種)を陸上養殖しているノルェー資本のものになっているようです。 まずは450トンから始め、目標の5,000トンまで生産を拡大する計画とのことで、ヨーロッパにおける陸上養殖ブリ類の平均的な出荷サイズ3.0kgを基に計算すると、それぞれ約15万尾と約160万尾になります。「Plate-seized fish」と表現されるように、小さい商品サイズに慣れている地域でもありますし、また増肉係数(FCR)が高い魚ということもあり、それ以上のサイズの大きさの魚に育てることはないのかもしれませんが、その分、出荷尾数は多くなりそうですね。 ただ、魚種に限らず、また、地域や国を問わず言えることですが、陸上養殖の魚にはプレミアム価格を付ける(プレミアム価格に頼る)傾向にあり、それが陸上養殖ビジネスのつまずきの原因となるケースが多いのも事実です。サステナビリティの意識が比較的高いヨーロッパではありますが、どのような価格帯で販売されていくのか興味がありますね。 Acuicultura Cádiz launches bold new 5,000-tonne Seriola project El Puerto de Santa María, Spain, 12 May 2025 | This company is the only one with a guaranteed supply of Seriola juveniles, as it is managed by the hatchery for the species operated by Futuna Blue Spain ...