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記事「様々な増肉係数(FCR)」についての補足説明

以前紹介した増肉係数(FCR)についての 記事 において、『ノルウェーでは飼料原料162万トンを使用した年に125万トンのアトランが生産されましたので、eFCR=162/125=1.30』と述べています。それをお読みいただいた方から、『アトランは数年かけて(出荷サイズにまで)育つので、ある「年」の一年のみに使用された飼料原料の量をFCRの計算に使うことには無理があるのでは?』との問い合わせをいただきました。 ご指摘の通り、確かに無理はあるのですが、時間をかけて育つ魚の稚魚から成魚(出荷サイズ)までに与えた飼料の原料の量を動的に記録することは大変難しいことですし、飼料メーカーや生産者(需要家)によるバリエーションが大きい飼料の種類や供給・使用量を把握することにも厳しいものがあります(少なくとも現時点では)。 このような事情もあって、魚の生産量(=飼料の使用量)が比較的安定して推移するノルウェーのアトランのようなケースでは、先の記事で紹介したような「ざっくり」とした計算で産業向けにFCRを求めることが度々あり、同じような疑問をお持ちの方もおられるかもしれませんので、ここでも回答を紹介させていただきました。 このようなFCRを、パラメータを定義した上で、「見かけのFCR(apparent FCR)」とも呼ぶことがあり、また、実際にノルウェーの国家統計でもこのFCRの数字が使用されています。